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> マクワウリ
マクワウリ
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マクワウリとは、果実を食用とする植物の一種である。 &attachref(./DSC_4902.JPG); 画像出典:自宅近くの料亭にて撮影 |科名|ウリ科キュウリ属| |学名|Cucumisi melo var. makuwa| |原産地|インド| |生態|一年草| *特徴 [#j44255a6] インドが原産地であると言われる、つる性の一年草。我が国には縄文末期~弥生時代に渡来し、夏に喉の乾きを癒やすための果物として栽培されていた。縄文時代晩期の遺跡(唐古・鍵遺跡)から種子が発見されている。万葉集にも詠まれ、古くは「瓜」といえば本種かシロウリを指した。大量生産が容易なので、市場では普段使いの果物として安価に取り引きされていた。美濃国真桑村(現在の岐阜県本巣市)が一大産地だったため、マクワウリの名称で呼ばれる。風味の良さから「これは真のウリだ!」とたたえて「&ruby(まか){真瓜};」と呼んでいたものが訛ったという説もある。また、古くは中国経由で渡来しているため&ruby(からうり){唐瓜};の名称もある。戦国時代、特に織田信長を題材にした作品では信長がマクワウリを旨そうにかぶりつくシーンが描かれることがあるが、これは信長が公卿・山科家や朝廷にマクワウリを献上したという逸話が根底にあるものとされる。 明治時代になって欧米諸国から西洋種のメロンが導入されたが、当時は日本のような環境では栽培に向かない品種も多く(のちに大隈重信が自邸で温室を作り、西洋のメロンの栽培に成功)、一般家庭は手の出せる代物ではなかったため、しばらくはマクワウリの栽培が続けられた。 昭和も戦後に入り、プリンスメロンなどのマクワウリと西洋のメロンの安価な交配種が次々と作出されたことや、西洋種のメロンの栽培のコストの低下など様々な事象が重なって、マクワウリ自体の栽培は少なくなっているが、現在も夏場の農産物直売所や百貨店にて購入することができる。また、通販で種子や苗を購入して自宅で栽培することもできる。西洋種のメロンとは異なり、病気に強いので育てやすい。 果実は熟すると蔕から離れたり、収穫した果実から蔕がポロリと取れることがある。ここから、&ruby(ほぞお){臍落};ちが訛ってホゾチとも呼ばれる。 &br; '''瓜&ruby(は){食};めば子供思ほゆ 栗食めばまして&ruby(しぬ){偲};はゆ いづくより来たりしものそ &ruby(まなかい){目交};にもとなかかりて&ruby(やすい){安眠};しなさぬ &ruby(しろかね){銀};も &ruby(くがね){金};も玉も 何せむに &ruby(まさ){優};れる宝 子にしかめやも'''(山上憶良『万葉集』巻5 802) *品種 [#k4374b15] -''金マクワ'' 果皮が黄色い品種。現在最も多く栽培されている品種で、奈良県の黄金まくわなどがこの系統である。一番上にあげた写真も、「金マクワ」の系統である。縦溝が入り、その溝に沿って白い線が入る「銀泉マクワ」という品種もある。長崎で栽培される「おてうり」や韓国で栽培される「チャメ」というウリも「銀泉マクワ」とかなり酷似した特徴を持つ。 |&attachref(./DSC_4903.JPG);|&attachref(./HORIZON_0001_BURST20240819152111021_COVER.JPG);| &size(10){画像出典:いずれも自宅にて筆者撮影。(左)「金太郎」というタキイ種苗作出のF1品種のマクワウリ。(右)「銀泉マクワ」。}; -''銀マクワ'' 果皮が緑色の品種。熟すと銀色の光沢が出て、果肉は黄緑色である。追熟が進むとやや軟化しやすいことから、保存があまり効かないので、現在は希少となってしまった。新潟県の甘露マクワや滋賀県のなりくらマクワがこの系統である。北海道で栽培される「北海カンロ」という品種は西洋のメロンと交配させた品種で、見た目はマクワウリだが、果肉の質はメロンに近い。 -''菊メロン'' 果実は球形で縦溝が入り、一見すると真っ白いカボチャのような見た目をしている。果肉も純白で、さっぱりとした甘みがある。熊本県での栽培が多い。「悠紀メロン」の名称もある。前述の「銀泉マクワ」は「菊メロン」と「金マクワ」が自然交雑し、性質が固定化された種であるという。 -''ニューメロン'' 戦前に作出された品種。果実はコロンとした丸形で、果肉も果皮も黄緑色である。マクワウリの中では病気に強いため育てやすく、甘みも乗りやすい。台湾で栽培される「美濃瓜」「香瓜」という品種は本種と見ためが非常によく似ている。 &attachref(./CENTER_0001_BURST20230804140804752_COVER.JPG); &size(10){画像出典:筆者が自宅にて撮影。}; -''コヒメウリ'' 新潟県で古くから栽培される品種。果実の大きさは直径4cmほどである。果実の色は純白。普通お盆のお供え用にするため栽培されるが、熟した果実は表皮に黄色みがさし、うっすらと甘みがあるので、子供のおやつとして生食される。明治時代の植物図鑑「有用植物図説」にはウリ科の野菜の項でヒメウリが紹介されているが、「ミカンウリ」の名称があり、図版もコヒメウリとは異なり、深緑色で縦溝があるため、おそらく山形県の在来種のマクワ「&ruby(わさだ){早田};ウリ」を描いた図であると思われる。 「&ruby(わさだ){早田};ウリ」はいわゆる「銀マクワ」の系統で、現地では「ミカンウリ」の愛称で親しまれていたが、プリンスメロンの台頭で一時は栽培が途絶えかけた。黄緑色の果肉は甘みが強く、生食のほか、「&ruby(わさだ){早田};ウリ」の種としての存続が模索される現在は、新しい食べ方としてシャーベットやジュースにされる。 &attachref(./Screenshot_20230409-190759.png); &size(10){「有用植物図説」中のヒメウリ。画像出典:https://iiif.dl.itc.u-tokyo.ac.jp/repo/s/agriculture/document/5bfde8bf-0b54-7848-97d6-1ee30cf9a645#?c=0&m=0&s=0&cv=0&xywh=-1192%2C-228%2C7626%2C4548}; -''シマウリ'' 東京都八丈島で古くから栽培されてきた品種。縦長のスイカのような見た目をしている。熟すと黄色みの強い黄緑色となり、甘い香りは強いが果汁はほとんどなく、粉っぽい食感である。その食感からこれを食べたおばあさんが喉をつまらせる様子を連想した「ババゴロシ」という物騒な名前で呼ばれることもある。蜂蜜やコンデンスミルクをかけて食す。 -''虎御前'' &attachref(./DSC_5339~2.JPG); &size(10){画像出典:自宅にて筆者撮影。}; 滋賀県の伝統野菜の一種である。かなり古い時代に渡来した韓国産の「成歓」という品種がもとになっているといわれる。果実の模様は虎というより豹柄といったほうがよかろう。成熟させて果物として食べる他、幼果を漬物にして食すこともある。滋賀県のマクワウリは他にも個性的なものがあり、ピンポン玉大の大きさにしかならない緑色の「なりくらマクワ」や、同じく緑色で俵型の「なり駒マクワ」がある。 -''ナシウリ'' 江戸時代から栽培されている品種である。果実はやや下ぶくれの楕円形で純白。熟すとやや黄色みがかってくる。栽培環境によっては日の光が当たって若干緑がかることがあるが、風味に影響はない。若い果実を炒め物や漬物、サラダとして食し、熟した果実を生食あるいはジュースにする。[[梨>ナシ]]を思わせるシャリシャリとした食感から「梨瓜」の名がある。 -''タイガーメロン'' &attachref(./CENTER_0001_BURST20240828152926802_COVER.JPG); &size(10){画像出典:自宅にて筆者撮影。 }; マクワウリの中でも新顔の品種で、マクワウリと西洋のメロンを交配し、品種の性質を固定化させた品種である。スイカのような見た目で、黄色地に深緑色の縦縞が入るなど、前述のシマウリとよく似た特徴を持つが、両者との関連性は不明。甘みが強く、果汁も多くてそのまま生食できる。果肉色は黄緑色である。長崎で栽培される「とらうり」は本種とよく似た特徴を持つようだが、本種との関連性は不詳。 *コメント [#sdfa264d] #comment *閲覧者数 [#pfa1b743] |現在|&online;| |今日|&counter(today);| |昨日|&counter(yesterday);| |合計|&counter;|
マクワウリとは、果実を食用とする植物の一種である。 &attachref(./DSC_4902.JPG); 画像出典:自宅近くの料亭にて撮影 |科名|ウリ科キュウリ属| |学名|Cucumisi melo var. makuwa| |原産地|インド| |生態|一年草| *特徴 [#j44255a6] インドが原産地であると言われる、つる性の一年草。我が国には縄文末期~弥生時代に渡来し、夏に喉の乾きを癒やすための果物として栽培されていた。縄文時代晩期の遺跡(唐古・鍵遺跡)から種子が発見されている。万葉集にも詠まれ、古くは「瓜」といえば本種かシロウリを指した。大量生産が容易なので、市場では普段使いの果物として安価に取り引きされていた。美濃国真桑村(現在の岐阜県本巣市)が一大産地だったため、マクワウリの名称で呼ばれる。風味の良さから「これは真のウリだ!」とたたえて「&ruby(まか){真瓜};」と呼んでいたものが訛ったという説もある。また、古くは中国経由で渡来しているため&ruby(からうり){唐瓜};の名称もある。戦国時代、特に織田信長を題材にした作品では信長がマクワウリを旨そうにかぶりつくシーンが描かれることがあるが、これは信長が公卿・山科家や朝廷にマクワウリを献上したという逸話が根底にあるものとされる。 明治時代になって欧米諸国から西洋種のメロンが導入されたが、当時は日本のような環境では栽培に向かない品種も多く(のちに大隈重信が自邸で温室を作り、西洋のメロンの栽培に成功)、一般家庭は手の出せる代物ではなかったため、しばらくはマクワウリの栽培が続けられた。 昭和も戦後に入り、プリンスメロンなどのマクワウリと西洋のメロンの安価な交配種が次々と作出されたことや、西洋種のメロンの栽培のコストの低下など様々な事象が重なって、マクワウリ自体の栽培は少なくなっているが、現在も夏場の農産物直売所や百貨店にて購入することができる。また、通販で種子や苗を購入して自宅で栽培することもできる。西洋種のメロンとは異なり、病気に強いので育てやすい。 果実は熟すると蔕から離れたり、収穫した果実から蔕がポロリと取れることがある。ここから、&ruby(ほぞお){臍落};ちが訛ってホゾチとも呼ばれる。 &br; '''瓜&ruby(は){食};めば子供思ほゆ 栗食めばまして&ruby(しぬ){偲};はゆ いづくより来たりしものそ &ruby(まなかい){目交};にもとなかかりて&ruby(やすい){安眠};しなさぬ &ruby(しろかね){銀};も &ruby(くがね){金};も玉も 何せむに &ruby(まさ){優};れる宝 子にしかめやも'''(山上憶良『万葉集』巻5 802) *品種 [#k4374b15] -''金マクワ'' 果皮が黄色い品種。現在最も多く栽培されている品種で、奈良県の黄金まくわなどがこの系統である。一番上にあげた写真も、「金マクワ」の系統である。縦溝が入り、その溝に沿って白い線が入る「銀泉マクワ」という品種もある。長崎で栽培される「おてうり」や韓国で栽培される「チャメ」というウリも「銀泉マクワ」とかなり酷似した特徴を持つ。 |&attachref(./DSC_4903.JPG);|&attachref(./HORIZON_0001_BURST20240819152111021_COVER.JPG);| &size(10){画像出典:いずれも自宅にて筆者撮影。(左)「金太郎」というタキイ種苗作出のF1品種のマクワウリ。(右)「銀泉マクワ」。}; -''銀マクワ'' 果皮が緑色の品種。熟すと銀色の光沢が出て、果肉は黄緑色である。追熟が進むとやや軟化しやすいことから、保存があまり効かないので、現在は希少となってしまった。新潟県の甘露マクワや滋賀県のなりくらマクワがこの系統である。北海道で栽培される「北海カンロ」という品種は西洋のメロンと交配させた品種で、見た目はマクワウリだが、果肉の質はメロンに近い。 -''菊メロン'' 果実は球形で縦溝が入り、一見すると真っ白いカボチャのような見た目をしている。果肉も純白で、さっぱりとした甘みがある。熊本県での栽培が多い。「悠紀メロン」の名称もある。前述の「銀泉マクワ」は「菊メロン」と「金マクワ」が自然交雑し、性質が固定化された種であるという。 -''ニューメロン'' 戦前に作出された品種。果実はコロンとした丸形で、果肉も果皮も黄緑色である。マクワウリの中では病気に強いため育てやすく、甘みも乗りやすい。台湾で栽培される「美濃瓜」「香瓜」という品種は本種と見ためが非常によく似ている。 &attachref(./CENTER_0001_BURST20230804140804752_COVER.JPG); &size(10){画像出典:筆者が自宅にて撮影。}; -''コヒメウリ'' 新潟県で古くから栽培される品種。果実の大きさは直径4cmほどである。果実の色は純白。普通お盆のお供え用にするため栽培されるが、熟した果実は表皮に黄色みがさし、うっすらと甘みがあるので、子供のおやつとして生食される。明治時代の植物図鑑「有用植物図説」にはウリ科の野菜の項でヒメウリが紹介されているが、「ミカンウリ」の名称があり、図版もコヒメウリとは異なり、深緑色で縦溝があるため、おそらく山形県の在来種のマクワ「&ruby(わさだ){早田};ウリ」を描いた図であると思われる。 「&ruby(わさだ){早田};ウリ」はいわゆる「銀マクワ」の系統で、現地では「ミカンウリ」の愛称で親しまれていたが、プリンスメロンの台頭で一時は栽培が途絶えかけた。黄緑色の果肉は甘みが強く、生食のほか、「&ruby(わさだ){早田};ウリ」の種としての存続が模索される現在は、新しい食べ方としてシャーベットやジュースにされる。 &attachref(./Screenshot_20230409-190759.png); &size(10){「有用植物図説」中のヒメウリ。画像出典:https://iiif.dl.itc.u-tokyo.ac.jp/repo/s/agriculture/document/5bfde8bf-0b54-7848-97d6-1ee30cf9a645#?c=0&m=0&s=0&cv=0&xywh=-1192%2C-228%2C7626%2C4548}; -''シマウリ'' 東京都八丈島で古くから栽培されてきた品種。縦長のスイカのような見た目をしている。熟すと黄色みの強い黄緑色となり、甘い香りは強いが果汁はほとんどなく、粉っぽい食感である。その食感からこれを食べたおばあさんが喉をつまらせる様子を連想した「ババゴロシ」という物騒な名前で呼ばれることもある。蜂蜜やコンデンスミルクをかけて食す。 -''虎御前'' &attachref(./DSC_5339~2.JPG); &size(10){画像出典:自宅にて筆者撮影。}; 滋賀県の伝統野菜の一種である。かなり古い時代に渡来した韓国産の「成歓」という品種がもとになっているといわれる。果実の模様は虎というより豹柄といったほうがよかろう。成熟させて果物として食べる他、幼果を漬物にして食すこともある。滋賀県のマクワウリは他にも個性的なものがあり、ピンポン玉大の大きさにしかならない緑色の「なりくらマクワ」や、同じく緑色で俵型の「なり駒マクワ」がある。 -''ナシウリ'' 江戸時代から栽培されている品種である。果実はやや下ぶくれの楕円形で純白。熟すとやや黄色みがかってくる。栽培環境によっては日の光が当たって若干緑がかることがあるが、風味に影響はない。若い果実を炒め物や漬物、サラダとして食し、熟した果実を生食あるいはジュースにする。[[梨>ナシ]]を思わせるシャリシャリとした食感から「梨瓜」の名がある。 -''タイガーメロン'' &attachref(./CENTER_0001_BURST20240828152926802_COVER.JPG); &size(10){画像出典:自宅にて筆者撮影。 }; マクワウリの中でも新顔の品種で、マクワウリと西洋のメロンを交配し、品種の性質を固定化させた品種である。スイカのような見た目で、黄色地に深緑色の縦縞が入るなど、前述のシマウリとよく似た特徴を持つが、両者との関連性は不明。甘みが強く、果汁も多くてそのまま生食できる。果肉色は黄緑色である。長崎で栽培される「とらうり」は本種とよく似た特徴を持つようだが、本種との関連性は不詳。 *コメント [#sdfa264d] #comment *閲覧者数 [#pfa1b743] |現在|&online;| |今日|&counter(today);| |昨日|&counter(yesterday);| |合計|&counter;|