Top > ナス

ナス の変更点

ナスは、食用として栽培される植物の一種である。
|&attachref(./DSC_4100.JPG);|&attachref(./DSC_1979.JPG);|
&size(10){画像出典:(左)大学の庭園にて筆者撮影/(右)自宅近くの畑にて筆者撮影};
|科名|ナス科ナス属|
|学名|Solanum melongena|
|原産地|インド|
|生態|一年草|
|英名|Eggplant(米)、Aubergine(英)、Brinjal(印、亜)|
&br;
|#contents|
&br; 

インドが原産であると古くから言われているが、原種がいまだ発見されていない。
我が国は中国を経由して日本に伝わり、奈良時代の「正倉院文書」にすでに記述が見られるという。草丈は60㎝~100㎝になり、葉は卵型で互生し、縁はやや波立つ。葉や茎の表面には棘や毛が生え、茎や葉脈は黒紫色になる。なお、この特徴はわが国で栽培される品種にみられるもので、「米ナス」や「白ナス」などの系統は葉脈が黄緑色である。
色名の茄子紺や「一富士二鷹三茄子」「瓜の蔓に茄子はならぬ」「親の意見と茄子の花は千に一つも仇はない」などの俚諺に見られるように、日本人の生活とナスは密接に結びついているのである。
夏~秋に小さな淡い紫色の六芒星の形状の花を咲かせ、下向きに実る果実を収穫し、煮付け、漬け物、焼くなどして賞味する。原産地では多年草となるが、我が国では冬に枯死するため、一年草のあつかいである。
地方ごとに様々な品種があり、果皮の色はふつう黒紫色だが、南方には紫色の色素・ナスニンをほとんどあるいは全く含まない黄緑色や白色の品種がある。
なお、このナスニンはナスの表皮の色素としてのみならず、癌の原因となる活性酸素を押さえたり、脳梗塞などを引き起こす血栓やコレステロールの除去、目の疲労改善といった様々な効果を発揮することでも知られる。
*品種 [#kf563d52]
**マルナス(丸茄子) [#u897cd63]
&attachref(./DSC_5211.JPG);
&attachref(./250703071855314.JPG);
&attachref; 
&attachref(./250821123011192.JPG); 
&size(10){画像出典:(上)夢の島熱帯植物館にて撮影。「セイヨウマルナス」と呼ばれる系統の品種で、トキタ種苗が開発した「カレーにインド」という品種である。(中)同じく「セイヨウマルナス」と呼ばれる品種で、アメリカ原産の「ブラック・ビューティー」を原種とする「米茄子」の系統。自宅近くの畑にて筆者撮影。(下)品種名は不明だが、「丸茄子」の一品種と思われる。東京都八王子市堀之内にて筆者撮影。};
果実が完全な球体の品種。わが国に伝来して以降、当初はこちらの品種が栽培の主流で、現在のような長ナスは時代がだいぶ下ってから作出されたようである。新潟県の長岡巾着や京都の大芹川(賀茂)が有名である。煮物や漬物に向くが、特に田楽にされることが多い。セイヨウマルナスあるいは「米ナス」と呼ばれる品種は、蔕が緑色である。チーズ焼きやカレーなどに向く。
**ナガナス(長茄子) [#l829f5d5]
&attachref(./250715114715745.JPG); 
&size(10){画像出典:大学の庭園にて筆者撮影。};
&attachref(./250712162142804.JPG);
&size(10){画像出典:所沢市の商業施設にて筆者撮影};
果実が細長くなる品種。現在市場で売られているナスは「長卵形ナス」という品種で、千両なすの系統が多く栽培される。ここで取り上げるナガナスは20cm近くの長さに達することがあるほど、細長い品種である。福岡県の博多長なすがこの代表である。焼く、煮付ける、汁の実にする、漬け物など調理の範囲が広い。
東南アジアでは果皮にナスニンという紫色の色素が含まれずに、一見すると細長い黄緑色のウリのような見た目をした長ナスが栽培されている。わが国でもこうした系統の長ナスがみられるようになった。
**コナス(小茄子) [#q333976e]
&attachref(./original_eff0fe04-bdb9-486a-8325-c0a445a712ac_250504132019793.JPG);
&size(10){画像出典:東京都国分寺市の商業施設にて筆者撮影};
&br;
果実の大きさが3㎝から8㎝程の大きさになる品種で、山形の「民田なす」や京都の「もぎなす」、土佐の「十市なす」など、各地に様々の品種がある。画像のように卵形をしたものや、前述の丸ナスをミニチュアにしたような形状のものがある。煮たり焼いたりして食することもできるのだが、もっぱらは蔕を切り落として浅漬けや辛子漬け、麹漬けなどの漬け物にする。スーパーマーケットの漬物売り場コーナーでしばしば見かける、鮮やかなネイビーブルーの丸っこい形状の漬け物がこれである。
**シロナス(白茄子)・アオナス(青茄子) [#wfff6895]
&attachref(./DSC_2079.JPG); 
&size(10){画像出典:筆者が大学の庭園にて撮影};
&attachref(./DSC_6176.JPG); 
&size(10){画像出典:筆者が大学の庭園にて撮影};
&attachref(./250818114645273.JPG);
&size(10){画像出典;板橋区立赤塚植物園にて筆者撮影};
&attachref(./250610205734813.JPG);
&size(10){画像出典:自宅にて筆者撮影};
&br;
果肉にナスニンを含まないため、果皮色が白いか黄緑色をしているが特徴。特に、果皮がウリのように緑色をしたものはアオナスの名で呼ばれるが、こちらもシロナスの名称で呼ばれることがある。埼玉県で栽培されるぽってりとした形状の「青大丸茄子」、鹿児島県で栽培されるスリムな形状の「薩摩白長」「薩摩白丸」はアオナスの系統で、新潟県で栽培される「越後白ナス」はシロナスの系統である。いずれも主に煮て食べる。画像上のやや長い卵形の純白の品種は「とろーり旨なす」(トキタ種苗による育成。「揚げてトルコ」から品種名が変更)という品種である。
**タマゴナス(鸡蛋茄) [#mc047f75]
&attachref(./sinasu_6.jpg); 
&size(10){画像出典:https://botanic.jp/plants-sa/sinasu.htm};
果実が鶏卵ほどの大きさの品種で、はじめは白色だが、熟すと黄色になる。このため、古くは金銀ナスビの名称で流通していた。現在は同名の雑草と混同するのを避けるため、「タマゴナス」あるいは「観賞用ナス」「白ナス」の名前で流通する。背丈も低いので、鉢植えで栽培する頃ができる。果肉は種が多く、硬いため食用にできない。
*ナスにまつわる諺 [#vf90c9b6]
-''秋茄子は嫁に食わすな''
秋茄子は特に味が良く、そんな美味いものを嫁に食わせるな、といういびり文句。
諸説あるが、インターネットで検索した場合は大抵上記の意味がヒットする。
ちなみに[[Wiktionary>https://ja.m.wiktionary.org/wiki/%E7%A7%8B%E8%8C%84%E5%AD%90%E3%81%AF%E5%AB%81%E3%81%AB%E9%A3%9F%E3%82%8F%E3%81%99%E3%81%AA#:~:text=%E7%A7%8B%E8%8C%84%E5%AD%90%E3%81%AF%E3%80%81%E7%BE%8E%E5%91%B3%E3%81%A7%E3%81%82%E3%82%8B%E3%81%9F%E3%82%81%E9%81%8E%E9%A3%9F%E3%81%97%E3%81%A6,%E3%81%A6%E3%81%AF%E3%81%84%E3%81%91%E3%81%AA%E3%81%84%E3%80%81%E3%81%A8%E3%81%84%E3%81%86%E6%88%92%E3%82%81%E3%80%82]]様によると秋茄子は毒性アルカロイドが含まれており、過食しすぎると健康を害しかねないというから、当時の人々は経験的に気が付いていて嫁に食わせないようにしていた可能性がある。また、秋ナスには種子が少ないため、子供に恵まれなくなってはいけない、という理由もあるらしい。
-''一富士二鷹三茄子''
縁起の良いものをご利益が高い順に並べていったもの。初夢でこの順(富士山→鷹→茄子)に見るととても縁起が良いそう。
ここでの茄子は「初物」の方を指しているとされる。
-''親の意見と茄子の花は千に一つの無駄もない''
親の意見は必ずためになるし、ナスも花を咲かせればたいていはちゃんと実がつき、「無駄花」というものが少ない((ただし、土壌の極端な乾燥など、栽培環境がよくないと花落ちを引き起こすことがある))。
そこから、親の意見を聞かない子供を窘める際にこのことわざが用いられる。
*コメント [#sdfa264d]
#comment
&br;一追記二修正三添削、お願いいたします。
*閲覧者数 [#pfa1b743]
|現在|&online;|
|今日|&counter(today);|
|昨日|&counter(yesterday);|
|合計|&counter;|

ホーム リロード   新規 下位ページ作成 コピー 編集 添付 一覧 最終更新 差分 バックアップ 検索   凍結 名前変更     最終更新のRSS