サンショウ の変更点
サンショウは、香辛料の一種。山地の雑木林などに自生する他、人家に植えられる。 &attachref(./HORIZON_0001_BURST20240511104116820_COVER.JPG); &size(10){画像出典:東京都薬用植物園にて筆者撮影。普通種のサンショウ。}; &attachref(./DSC_2116.JPG,Nolink,128%); &size(10){画像出典:筆者撮影(東京薬科大学薬用植物園)。「ブドウサンショウ」と呼ばれる園芸品種で、果実が[[ブドウ]]の房のように実ることからこの名がある。風味や利用法は基本種と同等。}; |別名|ハジカミ| |科名|ミカン科サンショウ属| |学名|Zanthoxylum piperitum| |原産地|北海道~九州、朝鮮南部| |生態|落葉低木| |英名|Japanese pepper| 落葉広葉樹の低木で、樹高は普通1から3m。樹皮は灰褐色で皮目が多く、棘や、その棘が落ちた名残のいぼ状の突起がある。まれに棘がないものがあり、こちらは「アサクラザンショウ」と呼ばれる(後述)。葉は互生し、奇数羽状複葉で、長さは10~15cm程度。葉には油点があり、もんで手の平に乗せて潰すと爽やかな香りが出る。 4月から5月にかけて花を咲かせるが、黄緑色で小さいため目立ちにくい。秋に果実をつけ、果実は初め緑色であるが、秋に赤く熟して割れ、黒い光沢のある種子を露出する。 若芽、若葉、花、未熟な果実(蒴果)、果皮を食用にする。果実は熟すと裂開して黒い種子を露出するが、この種子は苦いので利用しない。 若い芽は「木の芽」の名称で料理の飾り付けやあえ物の風味付けに用いられる。 「青ザンショウ」とよばれる夏の若い実はちりめんじゃこと共に佃煮にしてご飯のおかずにする。 熟した果実の果皮はすりつぶしてうなぎの蒲焼の薬味や七味唐辛子、山椒餅の材料にする。 また、材木としての利用もあり、すりこぎが作られる。 *近縁種 [#a78832a0] **''イヌザンショウ(Zanthoxylum schinifolium)'' [#v0e869f1] &attachref(./inuzanshou.jpeg); 写真撮影:青木繁伸(群馬県前橋市) &br; 樹高は1mから3mである。樹皮は灰褐色で、若木はこぶ状になったトゲがあるが、成長するにしたがってトゲが焼失し、樹皮表面はひび割れる。葉は奇数羽状複葉で互生し、小葉は長楕円形から広披針形で、長さは2cm~4cmである。名称はサンショウに比べて香りが劣ることから、役に立たないサンショウの意味。樹形はサンショウに似るが、棘の生え方が異なる。中国では「青花椒」「青椒」と称して果皮を香辛料として利用しているが、日本での利用はない。 **''カラスザンショウ(Zanthoxylum ailanthoides)'' [#i8ae9d49] &attachref(./800px-20180606_GGIGardens_RockAlpine_Default_DSCN0031.jpg); 画像出典:https://commons.wikimedia.org/wiki/File:20180606_GGIGardens_RockAlpine_Default_DSCN0031.jpg 著作者:Denver Botanic Gardens(Public domain) &br; 樹高は10m~15mになり、若い枝は緑色や紅紫色で無毛で、枝にもトゲが多い。葉は1回奇数羽状複葉。1枚1枚の小葉は広披針形で、普通のサンショウに比べて大ぶりな葉となる。我が国では香辛料としての利用はなく、アゲハチョウの食草として知られる。中国では「食茱萸」((ミカン科の薬草のゴシュユ(呉茱萸)に果実の形状がよく似ているためこの名称がある))や「刺椒」と称して香辛料として利用する。葉を駆風薬、果実を健胃薬とする。わが国では若い葉を天ぷらにして食す。また花からは清涼感のある独特の風味の蜂蜜がとれるので、蜜源植物としても知られている。 **''カホクザンショウ(&ruby(ホアジャオ){花椒};、Zanthoxylum bungeanum)'' [#z0dc5d4f] &attachref(./DSC_2117.JPG); &size(10){画像出典:筆者撮影(東京薬科大学薬用植物園)}; 樹高は7mほどになる。枝には鋭い棘が2本ずつ付く。葉は奇数羽状複葉で、互生する。全長8㎝~14cmほどとなる。葉は5対から11対の小葉からなり、小葉は1㎝~2cmの楕円形で先端は尖り、縁は鋸歯状となる。麻婆豆腐や担々麺などの四川料理には欠かせない香辛料で、中国名の&ruby(ホアジャオ){花椒};の名称の方がよく知られている。樹高や樹形などの全体的な特徴は日本のサンショウと近いものの、果皮はより辛味やしびれが強い。 **''アサクラザンショウ(Z. piperitum (L.)DC forma inerme (Makino) Makino)'' [#d1b533a8] &attachref(./DSC_1141.JPG); &attachref(./DSC_4254.JPG); 画像出典:東京都薬用植物園にて筆者撮影 &br; サンショウの一種で、樹高は普通種のサンショウとほぼ同一である。突然変異を起こして棘がなくなった品種。江戸時代から商業的に栽培されているという。現在の兵庫県八鹿町朝倉で発見されたのが最初である。実生では性質が安定しないため、接ぎ木から栽培する。 サンショウの一種で、樹高は普通種のサンショウとほぼ同一となり、1mから3mである。突然変異を起こして棘がなくなった品種。江戸時代から商業的に栽培されているという。現在の兵庫県八鹿町朝倉で発見されたのが最初である。実生では性質が安定しないため、接ぎ木から栽培する。 **''ヤカショウ(野花椒、Zanthoxylum simulans)'' [#ia4b517a] &attachref(./DSC_4958.JPG); 画像出典:東京都薬用植物園にて筆者撮影 &br; 中国や台湾で栽培される品種で、樹高は7mとサンショウ類の中ではやや大ぶりになる。葉は互生し、奇数羽状複葉であるが、日本のサンショウ類より大きく、1枚の葉の大きさ7cm以上にもなる。果実をスパイスとして利用するが、風味はわが国の普通種とはかなり異なる。 *サンショウにまつわる諺 [#n487cf05] -''山椒は小粒でもぴりりと辛い'' 身体が小さくても、才能等が非常に優れていること。 この言葉は江戸時代の前後からあったとされ、当時の俳人、松江重頼の俳諧論書「毛吹草」に見ることが出来る。 *コメント [#cd9f0bb5] #comment *閲覧者数 [#pfa1b743] |現在|&online;| |今日|&counter(today);| |昨日|&counter(yesterday);| |合計|&counter;| |