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オタネニンジン の変更点

オタネニンジンとは、わが国で古くから利用されてきた薬草の一種である。現在は朝鮮人参と呼んだ方が通りがよいかもしれない。
|&attachref(./DSC_1510 (1).jpg,nolink,43%);|&attachref(./DSC_5272 (1)_0.JPG);|
&size(10){写真:いずれも筆者撮影(東京都薬用植物園)};
|科名|ウコギ科トチバニンジン属|
|学名|Panax ginseng|
|原産地|中国・朝鮮半島|
|生態|多年草|
&br;
 朝鮮半島をはじめ、中国東北部やウスリーが原産である。草丈は50㎝~60㎝で、茎は1本だけ直立し、茎頂に5出掌状複葉を輪生する。葉は楕円形で鋸歯で縁取られ、先端はとがっている。春に花を咲かせ、花は白みの強い緑色で、散形花序である。花が終わると、夏から秋に楕円形の果実を実らせ、熟すと緑色から鮮やかな赤色に変色する。
人体を思わせるような形をした根には強壮、食欲不振、強心作用があるとされ、「薬草」といえばまずこの植物の名が上がるほど有名である。わが国は当初は朝鮮半島から本種を輸入していたが、そのころは単に「&ruby(ニンジン){人蔘};」や「かのにけぐさ」と呼んでいた。江戸時代前期に、三代将軍の徳川家光(八代将軍・徳川吉宗説あり)が試行錯誤を繰り返しつつも下野国日光で栽培に成功し、種子を諸藩の大名に配ったため、敬称で「&ruby(おたねにんじん){御種人蔘};」と呼んでいた。やがて、本格的にわが国にて一大産業として栽培されるようになったのは、本草学者・田村&ruby(らんすい){藍水};(1718~76)の功績によるところが大きい。
 食用となる野菜の[[ニンジン]]が渡来すると、本種との混乱が生じた。当初野菜のニンジンは「セリニンジン」とか「ナニンジン(菜人参)」と呼んでいたが、この呼び名は次第にすたれ、「ニンジン」という呼び名のみが残った。これにより、本種に原産地を由来とした「朝鮮人蔘」「高麗人参」などの名称がつけられるにいたったのである。
 前述のように医薬品としてつかわれる本種の根だが、意外なことに野菜としても食用になるという。種子を蒔いてから一年経過した若い植物体の根を味噌漬けにするほか、本場韓国では&ruby(サムゲタン){参鶏湯};の具にするという。
 前述のように医薬品としてつかわれる本種の根だが、意外なことに野菜としても食用になるという。種子を蒔いてから一年経過した若い植物体の根を味噌漬けにするほか、本場韓国では&ruby(サムゲタン){参鶏湯};の具にするという。まさに「医食同源」を地で行く利用法である。
*オタネニンジンにまつわる諺 [#de0b0cfa]
--''人参飲んで首&ruby(くく){縊};る''
無計画かつ無茶な行動や分不相応な振る舞いは破滅を招く。
--''人参に鉛''
混ぜ物をしてごまかすこと。
--''人参で行水''
ありったけの薬を使って病気を治療すること。
*コメント [#cd9f0bb5]
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