ユウガオとは、ウリ科のつる性一年草植物である。 画像出典:ウィキメディア・コモンズ
我が国への正式な渡来時期は不明だが、平安時代にはすでに日本にあったものとされている。 元々ヒョウタンとは原種を同じくする植物であるが、ヒョウタンの苦みが少なくなったものがユウガオであるとされる。 草姿はカボチャに似るが、植物体全体に白い産毛があり、夏になると直径8cmの白い花を咲かせる。ヒョウタンやユウガオの花は他のウリ科植物とは異なり、夕方から花を咲かせ始め、受粉は蛾などの夜行性の昆虫によっておこなわれる。 アサガオに似た形状の純白の花を咲かせる植物が「ユウガオ」の名称で流通することがあるが、植物学上の正式な名称は「ヨルガオ」であって、その植物はヒルガオ科イポメア属に属する全くの別種である。
果実の長いナガユウガオ(写真上)と果実の丸いマルユウガオがあり、ナガユウガオは日本各地で利用され、トウガンのように煮て食べることが多いが、まれに漬物にもする。マルユウガオはフクベとも呼ばれ、干瓢の材料にする。 果実が熟して固くなると、ヒョウタンのように中身を抜いて楽器や炭入れに加工される。南アフリカのギロという楽器は、乾燥させたナガユウガオの果実の横に溝を彫って作られ、その溝を棒でこすって演奏する。 ただし、過去にユウガオによるククルビタシン中毒事故が報告されており、味見をして強い苦味を感じた場合、その苦味を我慢して食べることがないよう気をつけたい。