キャベツとは、野菜の一種である。
画像出典:(左)自宅近くの畑にて撮影。(右)紫キャベツ。赤塚植物園にて撮影。ぎざぎざの葉はアオジソ。
ヨーロッパ西海岸の広範囲にわたり生息する野菜の一種。現在でもヤセイカンランと呼ばれる野生種が存在する。欧米諸国での利用は古く、薬草や野菜として広く民間で栽培されてきた。我が国には宝永年間(1704-11)に近縁種にあたる観賞用のハボタンが先に渡来し、食用種の本種は幕末期に渡来しているが、明治になってから広く利用された。 結球する葉を野菜として炒め物やコールスローサラダ、漬物やみそ汁の具材にして食用にする。ドイツでソーセージの付け合わせにされるザワークラウトは、キャベツを乳酸発酵させた漬物の一種で、べったら漬のようなものである。普通種は葉が黄緑色で、葉が赤紫色になる紫キャベツや、葉が縮んでちりめん状になったサボイキャベツ(チリメンキャベツ)もある。 前述のハボタンはもちろん、ブロッコリー、カリフラワー、コールラビ―、ケールは近縁種にあたる。 和名はタマナ(玉菜)で、これは結球する性質に基づく。中国では古くは「葵花白菜」と呼ばれ、清代の植物図鑑『植物名実図考』にはこの名称とともに結球したキャベツの図がみられる。 また、カンラン(甘藍)と呼ばれることがあるが、明治期から昭和期の植物学者の牧野富太郎曰く、甘藍という和名は誤用であるという(牧野、1940)。