アサガオは、観賞用に栽培されるつる性草本。 画像出典:(上)福岡県筑紫野市にて撮影/(下)東京都東村山市久米川にて撮影
中国などの東アジアが原産で、我が国には奈良時代もしくは平安時代初期に遣唐使が種子を本土に持ち帰ったのが始まりである。当初は「牽牛子」と称し、下剤として用いるために薬用植物として栽培されていた*1が、次第に観賞用として栽培されるようになり、江戸時代には品種改良を重ねて葉や花の形状が変化した「変わり朝顔」がもてはやされたという。品種改良を重ねた結果種子を付けなくなることもあったが、そうした場合は株分けをして殖やしたという。 葉は尖った翼片をもつ並葉ないしはハート型で、茎はつる性で逆向きに毛が生えており、左巻きでものに絡みつき、全長3mになる。花は漏斗状になり、色はマゼンタピンクや紫色、青色、白色など様々である。かつては黄色いアサガオや黒いアサガオが存在しており、江戸時代当時の絵にも残されているが、関東大地震や太平洋戦争の混乱もあってか一度途絶えてしまった。この黄色いアサガオは東野圭吾により「夢幻花」という小説の題材にまでなっている。2014年には、キンギョソウの花の黄色色素のもととなる遺伝子を抽出し、黄色いアサガオを開花させることに成功している。