リンゴ(セイヨウリンゴ)は、果樹の一種である。 画像出典:(上)(中)花と果実。小石川植物園にて写真撮影。「ニュートンのリンゴ」という品種である。(下)https://commons.wikimedia.org/wiki/File:Red_apple_with_leaf.jpg?uselang=ja 赤リンゴの果実。 科名:バラ科リンゴ属 学名:Malus domestica 原産地:小アジア・コーカサス地方 生態:落葉小高木 小アジアやコーサカス地方が原産であるとされる落葉高木。わが国には幕末期に導入され、明治時代にあまねく栽培されるようになった。まだワリンゴが主流であった当時はオオリンゴ(大林檎)と呼称された。 我が国の最初の記録は、越前藩主・松平春嶽が自邸に苗木を植え、果実を収穫し、果実をジャムにして餅に塗って食したという記録が残っている。 樹高は8m内外で、春に白色ないしは薄紅色の花を咲かせる。果実は直径約3~15 cm 、重さ約35~1000g。外皮の色は赤や黄緑,または黄色をしている。「ふじ」や「王林」「ゴールデンデリシャス」「アルプス乙女」「トキ」など多くの品種がある。主に果実を生食するほか、ジュースやジャム、菓子に加工する。 果実は熟すと「蜜入り」となり、この状態が最も味が良いとされる。なお、旧約聖書『創世記』に登場するアダムとエバが蛇にそそのかされて食したことで知られる「禁断の果実」は本種ではないかという説が根強かったが、近年はブドウやイチジク、コムギなど諸説ある。 なお、前近代まで栽培されていたワリンゴ(M.pumila)は平安時代に渡来し、当時は花を観賞用とするのみであったが、鎌倉時代から果実をドライフルーツや生食など、食用に供されるようになった。樹高はセイヨウリンゴとほぼ変わらないが、病気に弱いという特性や、果実が小さいなどの特徴もあり、明治以降は栽培がすたれ、戦後には絶滅寸前にまで追い込まれたが、現在はその特性が認められ、東北・甲信越地方で細々と栽培されている。