ワラビは、シダ植物の一種である。 画像出典:いずれも赤塚植物園にて筆者撮影
世界の熱帯から温帯地域に広く分布するシダ植物。根茎は長く地中を匍匐し、直径1㎝で、若い部分は茶色の毛でおおわれる。大きな葉は高さ2mに達する。葉柄下部の地中部分には褐色の毛が密集し、葉身は卵状三角形、硬い革のような性質で、裏面にやわらかい毛があり、羽状に分岐している。葉脈は叉状に分岐し、密な平行脈である。 早春に出る若い芽を山菜として食用とするが、この若い芽には発がん性の毒素があるので、木灰や重曹を混ぜた湯で湯がくか、塩漬けするかして毒素を抜いてから天ぷらや卵とじ、炊き込みご飯の具にする。また、凶作の年には根茎を掘り出して、根茎からでんぷんを取り出して製粉し、おかゆや団子、わらび餅にしてから食していたが、現在はより安価ででんぷんの採取も手間がかからないジャガイモにとってかわられている。