ネーブルオレンジとは、果樹の一種である。 画像出典:筆者撮影。自宅近くの園芸店にて。
ブラジルで作出されたオレンジの品種で、わが国には明治後期に導入されている。現在流通するものの多くはアメリカやブラジルから輸入したものであることが多いが、福原オレンジなど、わが国の気候に合うよう改良されたものもいくつかある。 樹高はおよそ4m。枝は密生する。葉は先のとがる楕円形で、葉の下部に翼状のものがある。花は白色で、五枚の花弁を持ち、芳香が非常に強い。橙色の果実は真球形で半径7㎝程度。名称のとおり果実の先端にネーブル(へそ)がある。果肉は柔軟で果汁が多いため、生食ないしはジュースにされる。花粉が出にくい性質で、種子ができない。12月に収穫して、翌春まで保存することができる。
画像出典:https://commons.wikimedia.org/wiki/File:Orange_on_the_tree.jpg 19世紀中ごろにイギリスの苗期商人が、ポルトガルで入手した苗木を米国カリフォルニア州・フロリダ州に導入したのが始まりである。 「スペイン人が故郷のバレンシアで栽培しているオレンジによく似ている」ということからこの名称がある。しかし、該当する品種が現地では栽培されていないので、ポルトガル原産のものではないかという指摘もある。 原座、世界の柑橘類の中で栽培面積が最も多い品種で、生産量も最も多い。わが国は温度不足により栽培が難しく、和歌山県南部の地域で栽培されるにすぎない。
画像出典:https://commons.wikimedia.org/wiki/File:Blood_Orange.jpg 果肉が濃い紅色になる珍しい品種で、表皮も赤味が強い。ブラッドは英語で「血」の実で、果肉や果汁が鮮血のように赤いことからこの名称で呼ばれる。 古くはヨーロッパの主要な栽培品種であったが、現在はバレンシアオレンジに生産量を抜かれている。 現在は果汁をジュースにしたものが販売されている。