ツワブキは、園芸植物の一種である。
画像出典:(左)東京都千代田区四ツ谷にて撮影/(右)東京都練馬区大泉学園にて撮影。斑入りの園芸品種。 科名:キク科ツワブキ属 学名:Farfugium japonicum 原産地:日本(中部地方以南) 生態:多年草 本州中部以南の日本にゃ東アジアの暖帯~亜熱帯に分布し、海岸に野生するほか、庭に観賞用としても栽培される。 葉の形状はフキに似ており、腎臓型で厚く、長い葉柄と光沢があり、根生する。和名の「ツワブキ」は「艶蕗」と表記し、「つやぶき」が訛ったものである。花茎は長さ30㎝~75㎝。10月から12月に黄色いキク状の頭花を咲かせ、頭花は舌状花と筒状花からなる。 葉に黄色い斑が入る品種が多くあり、江戸時代からそうした突然変異種や人為的に改良を加えた品種が人気を博していた。「花壇地錦抄」にはそうした斑入りの品種への言及がみられる。観賞用以外にも、本種の茎は食用にすることができる。そのままでは中毒するのであくを抜き、「伽羅蕗」にして食す。
変種のリュウキュウツワブキ(F.japonicum var.luchuense)は葉の縁が波打ったような見た目になり(これはツワブキが周囲の環境に適応しようとした結果、葉の形状にやゝ変化が生じたものである)、ツワブキと同じように利用できる。 画像出典:小石川植物園にて筆者撮影 また、もう一つの変種として、わが国の九州西部に分布するオオツワブキ(Farfugium japonicum f. giganteum)は草姿は全体的に大振りで、草丈が1m程度となることも珍しくはない。葉のヘリは丸みを帯びており、直径は30㎝~50㎝となる。庭園に観賞用として植えられるほか、こちらも山菜として食用にできる。 画像出典:新宿御苑にて筆者撮影