サツマイモは、食用にする植物の一つである。よく肥え太った根を食用にする。 画像出典:有用植物図説
中央アメリカが原産地とされるが、原種は未発見。 元々中央アメリカで多く栽培されており、南アメリカ地域や、南太平洋地域の島々に渡っていった。そして一端ヨーロッパに渡っていってから、ヨーロッパ経由で東アジアに伝わっていったという。我が国には桃山時代末期に琉球にもたらされ、その後鹿児島に導入されたが、栽培はそれほど広まらなかった。 救荒植物といえば、真っ先に連想されるのが、このサツマイモである。本格的な栽培は、徳川吉宗の治世下で飢饉により大量の死者を出す大惨事が発生し、事態を重く見た吉宗が蘭学者の青木昆陽に命じて始まった。昆陽は、サツマイモがやせ地でも育つことや、多く栄養を含んでいることに注目し、「蕃薯考」という題でサツマイモ栽培のテキストを出版した。こうして、サツマイモの栽培法が全国に広まったのである。 蔓性の植物だが、ウリ科などのつる性植物とは異なり、巻きひげなどはなく、他のものに巻き付かず、ただ地を這うのみである。茎が地面についた部分の節から根を出し、この根がだんだんと太っていき、イモとなる。これが植物学用語で塊根と言われるものである。 花は同じヒルガオ科のアサガオによく似ており、中心が濃い赤紫色になる。九州地方などではよく花を咲かせる光景が見られるが、関東地方では日照不足のため、花を咲かせることはあまりない。葉はふつうハート形だが、葉の両側がとがる品種もあり、そちらは牧野富太郎により「アメリカイモ」と呼ばれている。現在は両者の区別はない。 蔓も食用にできる。青物の少なくなる夏場に重宝する。茹でてアクを取ってから炒め物にすると良い。近年は蔓専用の「すいおう」という品種もある。大型園芸店や、ネット通販の園芸店で苗を購入することが可能である。 近年は葉に独特の模様が入る品種や葉が黒っぽい色合いの品種が観賞用として栽培され、属名のイポメアの名で花屋で販売されることがある。