⚠⚠警告⚠⚠ 本項ノ内容ヲ悪用セシムル事ヲ禁ズ 本項では、ケシの植物としての特徴や、利用の歴史について述べています。わが国ではあへん法のもと、無免許でのケシ(いわゆる「阿片けし」)の栽培、ならびに所持は固く禁じられています。決して本項に記載されている事項を実行なさることのないよう、お願いします。(筆者より) 追伸:記事の閲覧は、下部へスクロールしていただきますようお願いします。
ケシは、有用植物の一種である。 画像出典:東京都薬用植物園にて筆者撮影。ケシ・アサの圃場の管理人の許可のもと、フェンス越しの撮影。 科名:ケシ科ケシ属 学名:Papaver somniferum 原産地:地中海から小アジアにかけて 生態:二年草 地中海沿岸から小アジアが原産の二年草で、わが国には室町時代に渡来し、薬草として栽培されてきた。茎は直立し、草丈は1m~2mになる。葉は灰緑色の長楕円形から長卵形で互生し、縁には不規則な鋸歯があり波打つ。葉の根元は茎を抱くような形になっている。4月から5月にかけて4枚の花弁からなる花を咲かせ、花の色は赤色や白色、マゼンタピンクや薄桃色、紫色など多彩である。写真の品種は、英国で園芸用に品種改良されたもので、「ポンポン咲き」の品種である。 花が終わると、芥子坊主と呼ばれる独特の形状の果実をつけ、種子は細かな粒状である。 若い果実を傷つけ、そこから出た乳液を乾燥させ、粉末状にしたのが「阿片」である。この阿片は、適切な量を守ればモルヒネとして鎮痛薬・陳製薬として利用できたのだが、これには習慣性があり、しばしばひどい薬物中毒を引き起こした。アヘン戦争などは、阿片が起こした害悪の中で最もたるものといえるだろう。 現在は、それから精製されるモルヒネや、モルヒネを化学的に変化させたヘロインとともに麻薬に指定され、これらの麻薬としての使用や無免許での所持、またケシの植物体の無免許での栽培・医療目的以外での所持が違法となっている。 種子、いわゆる「芥子粒」は麻薬成分を全く含まず、食用として用いられる。七味唐辛子に混ぜられていることもあり、あんパンの上に乗っている粒状のものもケシの種子である。しかし、前述のようにわが国では医療目的以外での栽培が不可能であるため、現在は100%が輸入品である。食用以外にも、種子からは油がとれるので、油絵用絵の具の油としても用いる。 かつては、若い葉を野菜として食用にすることもあったという。野菜が満足に育たない場合の最終手段であった。