ギボウシとは、園芸植物の一種である。
画像出典:(左)東京都豊島区池袋にて撮影。/(右)牧野記念庭園にて撮影。斑入りの品種。 科名:キジカクシ科ギボウシ属 学名:Hosta undulata(Otto et Dietr.ex Kunth)L.H.Bailey var.erromena(Stearn ex L.H.Bailey)F.Maek 原産地:日本 生態:多年草 山野の半日陰に自生するほか、観賞用にするため庭に植えられる多年草である。普通「ギボウシ」とは、ギボウシ属に属する植物全般の総称であるが、ここで取り上げる植物は植物学上は「オハツキギボウシ」という和名をもつものである。長さ10㎝から15㎝の葉は心臓型で、根際に集まり、長さ30㎝から40㎝もの長い柄を持つ。初夏から夏に葉の間から1mから2mほどの花茎を出し、当初は直立するが、花を咲かせる際には自重で倒れ、中央辺に苞葉をつけ、紫色ないしは白色、薄青色の花を咲かせる。花は朝に咲いて当日の夕方にしぼむ。花の後には果実ができないため、株分けで増やす。 「紫蕚」という漢名があるが、これは紫色の花を咲かせる品種を指すことが多い。江戸時代には一大ブームを引き起こし、斑入りの品種がより観賞価値の高いものとされた。
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画像出典:東京都薬用植物園にて筆者撮影 大きな青緑色の葉のへりに鮮明な黄色の覆輪が入った園芸品種で、しばしば庭園に植えられる。大正時代後期に、現在の山形県寒河江市在住のある人物が庭に植えていたギボウシの中に、特有の黄色い覆輪がある者が偶発的に発生したものを園芸界の関係者が見つけて以来、古典的園芸植物の一つとして人気を博すようになったといういわれがある。それゆえ「寒河江擬宝珠」の名称がある。
画像出典:大船フラワーセンターにて筆者撮影 江戸時代ごろから園芸品種として栽培されている品種である。草丈は花茎も含めると全長1m内外である。葉は先端のとがる卵型で、表面は青緑色となり、やや粉を吹いたようになる。 花期はほかのギボウシ類と同様初夏から夏で、花色は薄紫色である。普通花を咲かせる際には花弁がややほころびた程度にしかならないが、写真のように開き切ってしまうこともまゝある。
画像出典:東京都薬用植物園にて筆者撮影 ギボウシ類の中でも大型になる品種で、草丈は1m内外となる。葉は先端の尖った楕円形で、長い葉柄と鮮明な葉脈、さらに光沢を持ち、鮮やかな黄緑色である。8月~9月にかけて、花茎の先に長さ15cm~20㎝程度の芳香を放つ白い筒状花を夕方に開く。花はいわゆる一日花で、翌日の朝にはしぼんでいる。
画像出典:小石川植物園にて筆者撮影 ギボウシ類の中では大型類と小型類の中間というべき品種で、古くから園芸品種として栽培されてきており、現在は種小名をカタカナ語読みした「ウンドゥラータ」という名称で流通する。葉の長さは15㎝程度となり、和名の通りに鮮やかな黄緑色地に薄い黄緑色ないしは白の縞模様が入る。6月から7月にかけて花茎を出し、薄紫色の花を咲かせる。