カラシナ のバックアップ(No.6)

カラシナは、野菜の一種である。
DSC_2815 (1).JPG
画像出典:東京都薬用植物園にて筆者撮影


科名:アブラナ科アブラナ属
学名:Brassica juncea var. cernua Jorb. et Hem.
原産地:ヨーロッパ
生態:一年草


 ヨーロッパが原産の一年草で、わが国にはすでに遅くとも奈良時代に渡来し、香辛料として利用されていた。普通畑に栽培されるが、現在は道端や堤防に野生することもある。とはいえ、道端に野生しているものの多くはセイヨウカラシナという植物で、こちらはわが国には明治時代に渡来し、帰化植物として知られる。
 草丈は1m~1.5mに達し、葉は不規則な羽状に分裂し、ダイコンの葉に似た形状である。園芸品種には葉が深く切れ込んで細くなるリアスカラシナ(後述)というものがある。
春に扁平な十字型の花を咲かせ、晩春に莢状の果実をつける。葉や茎は、漬け物やお浸し、油炒めなどに利用される。種子は練りからしの材料にされ、おでんやあんかけ焼きそばの薬味となる。
よく知られた近縁種に中国原産の大心菜(ダイシンサイ)(搾菜(ザーサイ))があり、これは茎の根元のふくらみ部分を発酵させた漬物として食す。中国からの輸入が多いが、わが国の関東地方でも栽培される。また、漬物で高名な高菜もカラシナの近縁種であるが、そちらの解説は別項に譲ることとする。
zasaiL1.jpg
画像出典:大心菜(ダイシンサイ)(搾菜(ザーサイ))。https://www.ootk.net/cgi/shikihtml/shiki_4868.htm 『四季の山野草』の「ザーサイ」のページから。

近似種 Edit

セイヨウカラシナ(Brassica juncea) Edit

sekara_5.jpg
画像出典:https://botanic.jp/plants-sa/sekara.htm 「ボタニックガーデン」の「せいようからしな」のページより抜粋


 アブラナ(Brassica campestris)とクロガラシ(Brassica nigra)との種間交雑種で、わが国には明治時代になって再び野菜として渡来した原種が逸出して路傍に生息するようになったもので、植物学上はわが国の在来のカラシナと同種である。葉は楕円形で、羽状に分裂しまばらな鋸歯を持っており、基部で茎を抱かない。
葉を野菜として食すほか、種子を練りからしとする。

大心菜(ダイシンサイ)(搾菜(ザーサイ)) Edit

上記の記述を参照。

リアスカラシナ Edit

DSC_6418.JPG
画像出典:大学の庭園にて筆者撮影
葉が深く切れ込む品種で、分けつが旺盛な品種。葉色が鮮やかな緑色をしているものと、写真のように紫色になるものがある。漬け物やおひたし、サラダ等に向く。草丈10㎝内外の若い苗をベビーリーフとして利用することも。

マスタードグリーン Edit

葉は幅広の形状で、縁が細かく縮れていて、見た目はリーフレタスに似ている。薄く柔らかい材質で、ピリッとした弱い辛味があり、肉料理の付け合せやサンドイッチの具に適する。

わさび菜 Edit

karasi_8a.jpg
画像出典:https://botanic.jp/plants-ka/karasi.htm 「ボタニックガーデン」の「からしな」のページより抜粋


葉に疎らな切れ込みがあるカラシナの一種で、さっぱりした辛味がある。

銀糸芥(ニンスーカ)(Brassica juncea var. multisecta Bailey) Edit

中国で栽培される品種で、葉は深く切れ込み、ミズナに似た見た目をしている。雪裡紅(セリフォン)と系統が近い品種である。前述のリアスカラシナとの関連性は不明。

雪裡紅(セリフォン)(Brassica juncea (L.) Czern. var. multiceps M.Tsen et S.H.Lee) Edit

Snow_mustard_Brassica_juncea.jpg
画像出典:https://en.wikipedia.org/wiki/Brassica_juncea 著作者:Cs california(CC BY 4.0)


中国で栽培される品種で、葉は浅く枝分かれした形状である。耐寒性に優れる。わが国には戦前に導入されたが、現在は家庭菜園で栽培される程度である。

アザミナ(薊菜、Brassica juncea var. crispifolia L.H. Bailey) Edit

Curly_mustard_leaves.jpg
画像出典:https://en.wikipedia.org/wiki/Brassica_juncea 著作者:Jim Conrad(Public domain)


葉が細かく切れ込んでしわがあり、縮れたようになる品種。甘みがあり、サラダ菜として食する。

根芥菜(ネガラシナ)(Brassica juncea (L.) Czern. var. napiformis (Pailleux et Bois) Kitam.) Edit

344px-Naturalis_Biodiversity_Center_-_L.2096787_-_Anoniem_-_Brassica_napiformis_-_Artwork.jpeg
画像出典:https://commons.wikimedia.org/wiki/File:Naturalis_Biodiversity_Center_-_L.2096787_-_Anoniem_-_Brassica_napiformis_-_Artwork.jpeg 著作者:Unknown,Creative Commons Zero, Public Domain Dedication


中国北部原産の品種。根がカブのように肥大し、これを食用ないしは飼料用にする。

コメント Edit


URL B I U SIZE Black Maroon Green Olive Navy Purple Teal Gray Silver Red Lime Yellow Blue Fuchsia Aqua White

閲覧者数 Edit

現在3
今日1
昨日2
合計595

ホーム リロード   新規 下位ページ作成 コピー 編集 添付 一覧 最終更新 差分 バックアップ 検索   凍結 名前変更     最終更新のRSS