イタドリ(虎杖)とは、山菜の一種である。
画像出典:(左)東京都薬用植物園にて筆者撮影。(右)西武百貨店池袋店にて筆者撮影 科名:タデ科イタドリ属 学名:Reynoutria japonica 原産地:東アジア 生態:多年草 我が国、特に西日本をはじめ朝鮮半島や台湾に分布する多年草草本植物で、山野に多く生息し、草丈は0.5m~1mほどに達する。夏から秋に枝先に複総状花序をつけ、小さな白い花を咲かせる。 早春から初夏にかけて地下に横に這うようにして伸びた根からタケノコ状の新芽を出し、この新芽を山菜として古くから食用にしてきた。酸味があるが、これは植物体にシュウ酸が含まれることに起因するので、食する際にはよくゆでて水けを切ってからあえ物などに供するのである。根は漢方の世界では「虎杖根(コジョウコン)」の名称で関節痛を和らげるのに用いられる。 近縁種のオオイタドリ(Reynoutria sachalinensis)は草姿はよく似ているが、全体的に大ぶりで、特に葉が大きく、現在は関東をはじめとした東日本地域に帰化植物として繁茂している。こちらも葉を食用にすることができるほか、根は緩下剤や蕁麻疹、気管支炎などに効能のある薬として用いる。 画像出典:オオイタドリ。筆者が東京都千代田区四谷にて撮影。 これ以外にも、花や果実が赤いメイゲツソウ(f.colorans)、高山生の小型のものはオノエイタドリ(f.compata)と呼ばれ、伊豆諸島には厚い光沢のある葉をもつハチジョウイタドリ(var.terminalis)などが生息するなど、変種が様々である。 ここから先、イタドリの闇の面が暴露されていきます・・・ もし、このおいしい山菜の「裏の顔」を知りたくなかったら、ブラウザバックを奨励いたします。
さて、わが国では優秀な山菜として親しまれるイタドリだが、実はイギリスでは厄介な草として扱われているのである。 19世紀末のビクトリア朝時代に日本から観賞用として持ち込まれたのがすべての始まりであった________________ この「緑の悪魔」は繁殖に繁殖を重ねてイギリス全土に拡散し、放置するとコンクリートを突き破り、ついには家を丸ごと飲み込んでいくというおっそろしい生命力&繁殖力を発揮し始めたのである。 その生命力&繁殖力たるやすさまじく、土地を売却する際にはこいつの存在の有無を報告する義務が発生し、故意にこいつを繁殖させたり、こいつが生えているのを知っていながら放置すると法律違反として罰せられるほどであるという。怖いねぇ…。 「近々わが国でもそんな風に恐ろしい力を発揮するんじゃないの…?」と思ったそこの読者の皆さん。そういったことはないから是非ご安心ください。 というのも、近くには競争相手の植物が多くいるし、土壌の中にはイタドリの秘められた力を弱めてくれる虫や細菌が存在するからである。