メロン のバックアップ(No.5)
メロンは、果実的野菜の一種。果実をデザートとして生食する。
南アジアや中近東がルーツであるとされ、野生種が東方に伝播してマクワウリやシロウリに、西方に伝播してメロンになったとされる。 品種
カンタルペンシス群 (C. melo var cantalupensis)
果実は球形で縦溝が走り、一見するとカボチャのような見た目をしている。表面はつるりとしたものや、ごつごつしていてますますカボチャと見まがうような見た目をしたものもある。果肉はオレンジ色である。明治期に伝来したもののほとんど普及せず、これまでわが国ではほとんど見られなかったが、近年は小さな黄色いマスクメロンのような果実をつけるガリアメロンの系統が流通している。 レティクラトゥス群(C. melo var. reticulatus)
果実は球形ないしは楕円形で、果実の表面は網目でおおわれる。これは果実が成長するにつれて表皮が割れ、腐敗や害虫の侵入を防ぐためにできたかさぶたのようなものである。現在「マスクメロン」として流通するのはこの品種である。 イノドルス群(フユメロン群、C. melo ver. inodorus)
果実は球形ないしは楕円形で、果皮の表面に網目がなく滑らかなものや、しわが寄ったように見えるものがある。果実は概して大型になり、長期保存が可能であるため「冬メロン」の名称で呼ばれる。中国新疆ウイグル自治区ならびにトルクメニスタンで栽培されるハミウリや、冬期に出回るハネジューメロン、黄色いカボチャのような見た目をしたカサバメロンなどはこの系統である。 フレクスオスス群 (C. melo ver. flexuosus)
果実の形状は細長く、蛇に似た形状である。果実は薄緑色で、熟しても果肉に甘みはなくキュウリに似た風味である。アルメニアで栽培されるアルメニアンキューカンバーや、かつてタキイ種苗で種子が流通していた「ちりめん細長瓜」がこの系統である。しばしばカラスウリの近縁種であるヘビウリと混同される。 コノモン群 (C. melo ver. conomon)
果実を漬物にして食用にする品種である。詳しくはシロウリの項を参照。 ドゥダイム群 (C. melo ver. dudaim)
果実は小型で、球形や楕円形をしている。果皮は独特の模様があって、甘い方向を持つが、果肉は苦いため食用にはされない。食用というよりはむしろ芳香剤として使われる。ポケットメロンとも呼ばれる。わが国では観賞用の瓜としてまれに流通する。 チト群 (Chito group)
果肉は小型で、マスクメロンを小型にしたような品種である。果実はキュウリに似た風味を持つものが多く、ピクルスにして食用にされる。マンゴーメロンがこの系統である。 マクワ群 (Makuwa Group)
マクワウリの項を参照。 ヒメウリ郡(Hime group)
マクワウリに近縁の種で、現在は新潟県で栽培される。果実は真球形で、ゴルフボールを一回り大きくしたくらいの大きさである。当初は白色だが、熟すにつれて黄色味を帯びてくる。 タマゴウリ郡(Tamago group)
ヒメウリ郡と同じく、マクワウリに近い品種である。ヒメウリとは草姿がよく似ているが、果実の形状は鶏卵型である。ただ、江戸後期の農書「成形図説」では本種と思わしき図に「ヒメウリ」の名称を当てており、両者の取り違えは頻繁に起こっていたものと推測される。現在は八丈島や瀬戸内海の島々で野生化した個体がまれにみられ、いわゆる「雑草メロン」の類となっている。江戸時代から栽培されていたものの、飯沼慾斎著「草木図説」には「味苦クシテ食スルニ値セズ」という記載がみられ、お供え用或いは観賞用として栽培されていたらしい。「本草図譜」にも解説がみられ、「鶴の子」という別名が付されている。 モモルディカ群 (C. melo ver. momordica)
果実は楕円形で、表面にはスイカのように縞模様がある。果実は熟すと割れ、果汁はほとんどなく、ぱさぱさとした食感である。八丈島や長崎県の五島列島で栽培される「ババゴロシ」という品種や、インドで栽培されるスナップメロンがこの系統である。 コメント
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