ヘビウリは、東南アジアで栽培される野菜の一種である。 画像出典:いずれも東京都薬用植物園にて筆者撮影 科名:ウリ科カラスウリ属 学名:Trichosanthes anguina 原産地:インド 生態:蔓性一年草 別名:ケカラスウリ(毛烏瓜、同名の雑草あり)、ゴードビーン インドが原産のつる性一年草で、わが国には明治期に渡来しているものの、今日に至るまであまり普及していない。草姿は同属のカラスウリに似る。7月から9月にかけて花を咲かせ、その花もカラスウリとよく似ており、5枚の花弁の先端が分岐して糸状となる。果実は1m内外の長さとなり、白地に濃い緑色の縦じまが入る。果実の表面には細かい毛があるので、毛烏瓜(ケカラスウリ)の名称で呼ばれる。熟すと鮮紅色になり、紙のように薄く、破れやすくなる。原産地のインドや東南アジア諸国では、若い果実をカレーなどに入れて食用としている。また、きゅうりに似た味で、サラダにすることもできる。わが国では「セイロン瓜」の名称でごくまれに市場に流通するが、たいていは自家消費である。果樹園の近くに植えて木につるを絡ませるように栽培することで、木に蛇が止まっているかのように錯覚させ、果物の食害を防ぐ効果が注目されている。花も涼しげなので、グリーンカーテンの効果も期待できる。 英語圏では果実の見た目から「スネークゴード」の名称で知られるが、ウリ科植物で、若い果実の見た目がインゲン豆のさや(・・)に似ていることから、「ゴードビーン」の名称で呼ばれることもある。