ヒシ のバックアップ(No.5)

ヒシとは、食用になる水草の一種である。
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画像出典:東京都薬用植物園にて筆者撮影


科名:ミソハギ科ヒシ属
学名:Trapa natans
原産地:東アジア、ロシア
生態:一年草


 我が国や朝鮮半島や中国、ウスリー、台湾などに分布する水生の一年草で、池や沼に生息する水草である。前の年に泥の中に落下した果実から目を出し、細長い茎を水面の四方に伸ばして、先端に三角形の葉を多数つける。
葉柄は中空でスポンジ状のふくらみを持ち、それによって水に浮いている。
夏に葉腋から出た柄の先に小さな白い4枚の花弁を持つ花を咲かせる。果実は扁平なひし形で、両側に鋭いとげがあり、塩ゆでして表皮をむいてから食する。ほくほくした食感で、クリに似た優しい風味がある。
 我が国では縄文時代から利用されており、北海道千歳市の美々遺跡からはヒシで作られた棘針が出土している。「万葉集」にも本種が詠み込まれた歌が収録されている。
一説によると、ひな祭りの時に出される菱餅は、形状がひし形をしているというだけでなく、もともとヒシの実を粉にしたものを用いていたからであるとも言われる。
なお、忍者が敵から逃げる際の足止めとして地面にばらまく「まきびし」は、オニビシやヒメビシの果実が用いられた。これらは棘がヒシのそれよりも鋭利になるので容易に敵の体や履物(前近代の我が国の軍装においては草鞋が一般的であった)に刺さる。ヒシ同様加熱して皮をむけば非常食にもなった。

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