ニガカシュウは、薬用植物の一種である。 画像出典:(上)葉の画像は東京都薬用植物園にて筆者撮影/(下)https://commons.wikimedia.org/wiki/File:Inhame-voador_(Dioscorea_bulbifera).jpg ニガカシュウのムカゴ。 科名:ヤマノイモ科ヤマノイモ属 学名:Dioscorea bulbifera 原産地:インド 生態:蔓性多年草 関東地方南部異性から九州、朝鮮半島、中国、台湾、マレーシアやインドに分布する蔓性多年草で、わが国には江戸時代に渡来している。林縁や山地に生え、葉はハート形で互生し、雌雄異株で、夏から秋にかけて、葉腋に穂状花序を出し、薄紫色の小さな花を咲かせる。塊根、いわゆるイモは大きな扁球形で、表面に毛が生えている。葉腋には直径2㎝ほどのムカゴを生じる。 和名は、葉の形状がカシュウ(ツルドクダミ)に似ていることと、塊茎やムカゴがかなり強い苦みを持っていることによる。かつては救荒食として食用にされたことがある。加熱すると苦みが消え、ジャガイモに似た風味があるという。 塊茎を「黄薬子」と称し、止血や鎮痛剤、解毒薬に用いる。ただし、ステロイド系の毒素が含まれるという報告があるため、多量に食したり、医師の判断を仰がずに薬用として利用することは控える。