テーブルビートとは、西洋野菜の一種である。
画像出典:(左)テーブルビートの葉。夢の島熱帯植物館にて筆者撮影。(右)テーブルビートの根。自宅にて筆者撮影。根の保存性をよくするため、葉は刈り取られている。 科名:ヒユ科フダンソウ属 学名:Beta vulgaris var.conditiva 原産地:地中海沿岸 生態:一年草 ロシア料理のボルシチに用いられることで有名な根菜である。わが国には江戸時代中期と明治時代に渡来したが、当時は観賞用の花卉として栽培されるのみで、野菜としてはなかなか利用されてこなかった。現在は、サラダ野菜として需要が増えており、百貨店などで目にする機会が増えている。 地中海沿岸が原産で、野菜としては2世紀から3世紀にローマで利用されるようになったのが始まりとされる。根から砂糖をとるサトウダイコンや、葉を食用とするフダンソウは植物学上は同種である。実際、フダンソウと同じく本種の葉の形状は卵形で、粗く波打つようになっているのが特徴である。茎は赤紫色である。 カブのように肥大した根は深紅色で(これゆえ、古くは「サンゴジュダイコン(珊瑚珠大根)」の名称で呼ばれた)、輪切りにすると年輪のような模様がある。根の形状は普通は球形だが、ダイコンのように細長くなる品種もある。ほのかな甘みと独特の食感があるため、色を生かしたサラダやピクルスにしてもよい。根が鮮やかなオレンジ色になる品種も流通する。