センダン(栴檀、楝)は、樹木の一種である。
画像出典:牧野記念庭園にて撮影 科名:センダン科センダン属 学名:Melia azadarach 原産地:日本、中国 生態:落葉高木 別名:楝(おうち) 本州、伊豆半島以西から四国・九州それに台湾や朝鮮半島、中国、アジア各地やオーストラリアの北・東部の沿海地方に広く分布する落葉高木で、わが国には平安時代に渡来し、楝(おうち)の名称で歌に詠まれた。 樹高はたいてい10m前後だが、生育条件が良ければ20mもの大木に成長することもある。普通庭に植えられるが、九州や沖縄には野生化した個体がみられる。 葉は2~3回奇数羽状複葉で互生し、初夏に葉腋から集散花序を出して白みの強い薄紫色の5枚の花弁からなる花を咲かせる。夏には核果を実らせ、秋から冬にかけて熟す。果実はいわゆる核果*1で、果肉部分が少なく、1つの大きな種子があるのだが、種子の形状がこれまた独特で、上から見ると角の取れた五芒星の形状をしている。 しばしば鳥についばまれることで生息域を広げているが、鳥がおいしそうに食べているからと言って人間がこれを食せば、果実中に含まれるサポニンにより食中毒を起こす。 本種は薬用植物としても知られ、果実を「苦楝子(クレンシ)」の名称でひび(・・)やあかぎれ、胃腸用の薬として用い、樹皮は苦楝皮(クレンピ)の名称で虫下しに用いられた。また、葉には防虫効果があるので、農薬がない時代はしばしば畑の隅に植えられたという。 ことわざの「栴檀は双葉より芳し」(大成するものは幼い時から人並み外れて優れたところがある、という意味)の「栴檀」とはビャクダンのことで、本種ではない。