サンカクサボテンは、園芸植物の一種である。 画像出典:大船フラワーセンターにて撮影 科名:サボテン科ヒロセレウス属 学名:Hylocereus undatus 原産地:中央アメリカ 生態:常緑多年草 メキシコなどの中央アメリカが原産で、わが国には明治時代に日本に導入され、「三角柱」の名称で栽培されてきた。茎は三角柱状で、茎節からは気根がでて、岸壁や樹木に付着して蔓のようによじ登り、この茎の長さは10mにも及ぶ。 気温の高い地域では周年芳香のある直径30㎝内外の白い花を咲かせ(この花は近縁種の月下美人?と非常によく似ている)、花の後にはウロコのようなものがある鮮やかなマゼンタ色の果実をつける。この果実は果物として食用にすることができ、「ドラゴンフルーツ」や「ピタヤ」の名称で流通する。 果肉は白色や赤色で、無数のゴマ粒のような種子があり、果肉ごと食することができる。また、果皮が黄色く果肉が白い品種は植物学上ではヒロセレウス属ではなく、セレニケレウス属という別種であるが、「ドラゴンフルーツ」として市場に少数ながらも流通する。 植物学上は、果肉や果皮の色ごとに以下のように分けることができる。 白肉種(ピタヤ)→Hylocereus undatus 赤肉種(レッドピタヤ)→Hylocereus costaricensisとHylocereus polyrhizusの2種 黄皮白肉種(イエローピタヤ)→Selenicereus megalanthus
画像出典:(左)Selenicereus megalanthusの株。東京薬科大学薬用植物園温室にて筆者撮影。(右)https://commons.wikimedia.org/wiki/File:Selenicereus_megalanthus.JPG 著作者: Abrahami(Public Domain) Selenicereus megalanthusの果実。ヒロセレウス属の果実より味は劣ると評されるものの、果樹として栽培される。 果物としての利用以外にも、性質が強靭であるため、ほかのサボテン類の苗の接ぎ木用の台木として用いられる(もともとは台木用にもたらされた品種であった。果実が食用として知られるようになったのは偶然の産物の結果である。)。