コブミカンとは、柑橘類の一種である。 画像出典:東京都薬用植物園にて筆者撮影 科名:ミカン科ミカン属 学名:Citrus hystrix 原産地:東南アジア 生態:常緑小高木 別名:カフィアライム(英語圏)、マックルー(タイ)、スワンギ(フィリピン) タイやフィリピン、マレーシアなどの東南アジア圏が原産の常緑小高木である。ほかの柑橘類のように枝先にはとげがあり、樹形も他の柑橘類とあまり変わらないが、葉の形が一風変わっている。 葉は楕円形で枝に互生しているが、葉柄が広がった独特の形状になり、2枚の葉がくっついたような見た目になっているのである。東南アジア地域では木の葉を香味料として用い、特にタイ料理にはプリッキーヌー(キダチトウガラシ)やレモングラス、ガランガーとともに欠かすことのできない食材である。 果実は球形でライムに似ているが、表面はユズよりも凸凹しており、酸味とさわやかな柑橘系の香りがある。熟すと黄色くなり、甘みが出てくるため、温州みかんのように皮をむいて食べることもできる。 英語圏では「カフィアライム」の名称が広く用いられるが、「カフィア(Kaffir)」という単語が黒人や異教徒に対する差別的な意味合いを持つため、現在では「マクルード・ライム」という呼び名にとって代わられつつある。