ケラジとは、柑橘類の一種である。 画像出典:https://www.flower-db.com/ja/flowers/citrus-keraji「かぎけん花図鑑」より引用 写真撮影:柳下瑞穂 科名:ミカン科ミカン属 学名:Citrus keraji 原産地:日本 生態:常緑低木 タチバナやシークワーサーなどとともに、わが国固有の柑橘類とも言うべき植物で、鹿児島県の喜界島をはじめとした各地の温暖な地域で栽培されている。 樹高は1.5mから2.5mと柑橘類の中では小ぶりである。葉は深緑色で、先端のとがる楕円形で縁はやゝまばらに鋸歯がある。初夏に白い5枚の花弁からなる星形の花を咲かせる。単位結実なので、受粉しなくとも結実するという点では、ウンシュウミカンと似た性質であるといえよう。夏に緑色の球形の果実を実らせ、晩秋には黄色く熟する。 本種の果実にはほかの柑橘類にはない独特の芳香と風味があり、果肉を生食するほか、未熟な果実から搾った果汁を食酢として利用する。果実や皮にはポリメトキシフラボノイドやビタミンCが大量に含まれ、ガン抑制効果がある健康食品として、近年では高値ながらもインターネット上のオンラインショップで取引される。 和名は、栽培の開始された地域が鹿児島県の喜界島にある花良治(けらじ)集落であることによる。 変種に、カーブチーという香酸柑橘があり、利用法はケラジと同じである。これは、「皮が分厚い」という意味で、実際に果皮はケラジのそれとは異なり、厚みと凹凸がある。果皮に厚みがあるため果肉との間に隙間ができてむきやすくなるが、食用になる果肉部分は小さくなり、果実の大きさに対して歩留まりが悪いという。 画像出典:https://commons.wikimedia.org/wiki/File:Kapuchi_ou_kabuchi.jpg カーブチーの写真。 著作者:Jpbrigand(CC BY-SA 4.0)