グレープフルーツは、果樹の一種である。 画像出典:https://commons.wikimedia.org/wiki/File:Poland._Warsaw._Powsin._Botanical_Garden_112.jpg?uselang=ja 著作者:Albertyanks(Public domain) 科名:ミカン科ミカン属 学名:Citrus paradisi Macf. 原産地:西インド諸島 生態:常緑小高木 西インド諸島原産の常緑小高木で、樹高は5mほどである。西インド諸島のバルバドス諸島で偶発的に生じたものとされる。葉は広い翼のある柄を持ち、卵状披針形で分厚い。5月から6月に白い5枚の花弁からなる花を咲かせ、総状花序か単生する。果実は球形で、直径10㎝~15㎝で、特徴のよく似たザボンとほぼ同じ大きさである。芳香が強く、果肉には甘酸っぱい風味と若干の苦みがあり、生食やジュースにされる。果肉色は赤色と白色があり、果肉が赤色の品種は黄色い果皮に紅が差すような色合いであることから、簡単に見分けられる。 わが国への渡来時期は大正末期で、当時は高級品の果物であったが、1971年に輸入が自由化され、わが国で一気に本種の知名度が高まり、格安で入手できる果物となった。現在はイスラエルなどから輸入され、通年流通する。
画像出典:https://commons.wikimedia.org/wiki/File:Sweetie_(Citrus).jpg 著作者:Yot (he:משתמש:יות)(CC BY-SA 3.0) アメリカで4倍体のグレープフルーツと酸味のないザボンを交配し、育成した柑橘類である。イスラエル産のものが「スウィーティー」、アメリカ産のものが「オロブランコ」として区別される。外観はグレープフルーツに酷似しているが、果皮は鮮やかな緑色かつ黄緑色である。見た目に反して酸味は弱く、苦味がほとんどなくて甘みが強いことから、子供にも食べやすいものとなっている。わが国においては、1990年代に株式会社ロッテがチューインガムを発売し、ガムや清涼飲料水の材料として普及したのを皮切りに新顔の柑橘類として注目が高まり、2004年にグレープフルーツの生産地であるフロリダ州がハリケーンの被害を受け、グレープフルーツの生産が一時困難になった際には代替品として注目された。現在も冬季にはスーパーマーケットで見かけることが増えている。
画像出典:東京都千代田区四ッ谷のスーパーマーケットにて撮影。 1958年にカリフォルニアで生まれた柑橘で、前述のスウィーティー(グレープフルーツ×ザボン)に、さらにグレープフルーツを交配させたものである。1986年に公開され、わが国には2000年代に導入され、近年はスーパーマーケットで冬季に出回る機会が増えている。前述のスウィーティの果皮色が緑または黄緑一色であるのに対し、こちらは鮮やかな黄色と緑が重なるマーブル模様の果皮色が特徴的である。また、果頂部がやゝとがるのも特徴的である。果実が大きくなるため、可食部も大きいように見えるが、果皮が分厚いので、可食部の大きさはグレープフルーツより一回り大きいくらいである。 果皮色の緑色が強いうちは酸味が強く、シャープな味わいだが、熟して果皮色の黄色が増えてくると甘みが強まり、まろやかな風味となる。