イチョウは、街路樹ならびに果樹の一種である。 画像出典:筆者撮影(東京都、上野駅近く) 科名:イチョウ科イチョウ属 学名:Ginkgo biloba L. 原産地:中国 生態:落葉高木 中国が原産の落葉高木で、樹高は20mから30m、幹の直径は2mである。裸子植物ではあるものの、針葉樹ではなく、また広葉樹でもない。わが国には縄文時代に渡来し、各地に老木が残っている。雌雄異株で、4月に花を咲かせ、花粉管から自由運動可能な精子が放出されて受精が行われる。本種とソテツはこの性質を持っている。9月から10月にかけて種子をつける。秋には黄葉する。老木になると円錐形の気根状突起を出すため、そうした個体は乳イチョウと呼ばれる。今から約2億9900万年前から約2億5100万年前のペルム紀に発生し、イチョウ科の樹種は複数の属があったが、現在はイチョウ属を残すのみとなっている。種子は果実に見えるが、裸子植物であるため、果実ではなく「仮種皮」と呼ばれる部分である。熟すると仮種皮は独特の臭気を放ち、好みがわかれる。 種子は「銀杏(ぎんなん)」の名称で食用になり、焼きぎんなんや茶碗蒸し、炊き込みご飯の材料となる。木材はコルク質で気泡があるため、防火性質があることを利用して、古くは防火に用いられた。 葉の上に実を結ぶ、または葉上に葯を付けるオハツキイチョウと言う品種があり、我が国では20件報告事例があるが、イタリアでも1件報告例がある。