アスパラガスは、食用として栽培される作物の一種である。 画像出典:https://commons.wikimedia.org/wiki/File:Illustration_Asparagus_officinalis0_clean.jpg 画像出典:自宅にて筆者撮影 科名:キジカクシ科クサスギカズラ属 学名:Asparagus officinalis 原産地:ヨーロッパ地中海沿岸 生態:多年草 地中海が原産の多年生の単子葉植物で、雌雄異株。草丈は1.5mになる。春に槍状の芽を出し、夏にマツの葉のような細い擬葉(本来の葉は、茎の部分にある袴のような部分である)を出して、薄い黄色の釣鐘型の花を咲かせる。花の後には直径5㎜程の赤い球形の液果をつける。収穫せずに残した芽が葉を茂らせ、翌年春にまた細い芋のような根から若芽が次々と出てくる。繁殖は実生であるが、時間と手間がかかるので、家庭菜園ではこの細い芋のような根を株分けして繁殖させる。 我が国には江戸時代前期にオランダ船により持ち込まれ、わが国在来のキジカクシに似ていることやオランダ人によって紹介されたため「オランダキジカクシ」の名称で呼ばれた。また、擬葉や若い芽の形状から「マツバウド」の名称でも呼ばれた。 前述の槍状の茎を野菜として煮込み料理や炒め物にして食用にする。 最も多く流通するのは「グリーンアスパラガス」で、これは若い芽を日に当てたものである。「ホワイトアスパラガス」は若い芽を軟白栽培したもので、かつては瓶詰でしか流通していなかったが、現在は生のものも出回っている。茎全体が紫色になる園芸品種の「パープルアスパラガス」はゆでると緑色になるため、サラダなどで食用にする。 また、近年百貨店では「ワイルドアスパラガス」「アスパラソバージュ」という珍しい野菜が出回ることがある。アスパラガスに似た風味であるが、これは厳密にはアスパラガスの一種ではなく、ユリ科オオアマナ属のオルニトガルム・ピレナイクムという別種の植物の花芽である。 花屋で「アスパラガス」という名称で流通する松葉状の葉を持つ植物がある。これは、アスパラガス・プルモーサス?(オオミドリボウキ)など枝を観賞用の切り花として栽培する品種である。