ミョウガは、香辛野菜の一種である。 画像出典:https://commons.wikimedia.org/wiki/File:Zingiber_mioga_140-8570.jpg?uselang=ja 「カーティス・ボタニカル・マガジン 第140巻」(1914)より抜粋。 科名:ショウガ科ショウガ属 学名:Zingiber mioga 原産地:東アジア 生態:多年草 日本を含めた東アジア一帯に分布し、普通人家に栽培されるか逸出し野生化していることもある。 地下茎は横に広がり、高さは40cm~100cmになる。笹の葉に似た形状の葉は2列に互生する。葉は20~30cmで先端は尖っている。地上部の茎に見えるものは、葉が重なり合って変化したものである。根茎から幼茎が伸びて、赤紫色の花穂をつける。花穂には多数の苞があり、その間にショウガのそれと淡黄色の花を咲かせる。この黄色い花を咲かせる前の花穂には特有の辛み成分が含まれているので、「花ミョウガ」の名称で食用になる。そうめんの薬味や汁の実、天ぷらや酢の物にする。 遮光して軟白栽培した若い芽も「ミョウガタケ」の名称で食用にされる。 なお、食べると物忘れがひどくなるという言い伝えがあるが、これは俗信にすぎず、むしろ頭の回転をよくする健康食品であるといえる。この俗信を題材にした『茗荷宿』という落語がある。ある旅館を営む強欲な夫婦が、客に財布を忘れて帰らせ、財布の中身をこっそりせしめようと、茗荷をふんだんに使った料理で客をもてなすのだが、客は宿代を払うのを忘れていった…というオチが付く。