フダンソウとは、野菜の一種である。 画像出典:筆者撮影(赤塚植物園) 科名:ヒユ科フダンソウ属 学名:Beta vulgari sssp. vulgaris 原産地:ヨーロッパから中央アジア 生態:一年草 ヨーロッパの地中海沿岸から中央アジアが原産の一年草で、わが国には江戸時代に渡来し、野菜として栽培されてきた。1697年に発刊された「農業全書」にはすでに記述がみられる。Beta vulgaris ssp. maritimaの栽培品種の一つで、大きく分けると4種に分けることができる。 イ:リーフビート郡(フダンソウ) ロ:ガーデンビート郡(テーブルビート) ハ:フォッダービート郡(飼料用ビート) 二:シュガービート郡(甜菜) 本種はリーフビート郡に属するもので、和名のフダンソウは時期を問わず収穫・栽培できるため、「不断草」の名称がつけられた。方言名の「うまい菜」「いつも菜」もこの性質に由来する。古くは中国(外国)由来のチシャという意味で、「トウヂシャ」(唐萵苣)とも呼ばれた。 茎はふつう白色もしくは薄い緑色で、葉は長い卵型で、表面は縮れたようになる。葉をよくゆでてあくを抜いてから和え物や炒め物にする。ホウレンソウに似た味わいである。栽培方法もホウレンソウとほぼ同一である。 近年、サラダ野菜として流通する「スイスチャード」という野菜は本種の一変種で、セイヨウフダンソウという和名があるように、ヨーロッパで栽培される系統である。茎色が赤色やピンク色、黄色やオレンジ色など、様々な色合いがある。スイスチャードは日本在来のフダンソウとは異なり、癖がないのでサラダなどの生食に向く。 画像出典:スイスチャード(セイヨウフダンソウ)。赤塚植物園にて撮影。