ニワウルシ(庭漆、神樹)とは、樹木の一種である。 画像出典:東京都千代田区四谷にて筆者撮影 科名:ニガキ科シンジュ属 学名:Ailanthus altissima Swingle 原産地:中国 生態:落葉高木 中国が原産の落葉高木で、我が国には明治時代に渡来し、各地に公園樹として植えられるほか、生育力が旺盛のため、各地で野生化している例もみられる。 樹皮は灰色がかった褐色で、表面は平滑である。葉は奇数羽状複葉で枝に互生し、複葉全体の長さは40㎝から80㎝となる。この複葉を構成する小葉は基部に2つの大きな鋸歯があり、13枚から25枚となる。雌雄異株で、7月から8月にかけて枝先に円錐花序をだし、緑がかった白い小さな花を咲かせる。果実はいわゆる翼果で、種子は風によって散布される。 「シンジュ」という別名でも知られており、漢字では「神樹」と表記する。これは英語名のTree of heavenを直訳したものである。名前に「ウルシ」とあるが、本種は植物学上はウルシとは別科の種であり、また樹皮や葉に触ってもウルシのようにかぶれることはない。それゆえ、公園樹として栽植されるのである。材を器具に加工するほか、樹皮は殺虫剤に加工される。中国では根皮や樹皮を「樗白皮(チョハクヒ)」の名で、生薬として解熱・止瀉・止血・駆虫などに用いる。 樹形はチャンチンに似るが、若い芽が黄色または薄い黄緑色になる点で区別する。