ツルレイシは、果実を野菜として食用にするために栽培される植物の一つである。 画像出典:ウィキメディア・コモンズ
インドが原産で、我が国には江戸時代に渡来した。当時は若い果実を漬物にして食すこともあったようだが、それほど野菜としての用途は多くなかったという。野菜としての利用が日本全土に広まるのは、2023年現在からおよそ半世紀前のことで、1972年の沖縄の日本への返還がきっかけである。 全体がいぼに覆われた円錐形の果実が特徴で、はじめは鮮やかな緑色か緑がかった乳白色だが、熟すと黄色からオレンジ色に変色し、下部から割れて種子を露出する。 別名をニガウリと呼ぶのは、果実に独特の苦味があることから。沖縄県や奄美諸島ではニガゴリとかニガゴイと呼ばれ、やはり果実の風味によるものである。 種子の周りを覆っているものは仮種皮で、これには甘みがあって食べられる。古くは仮種皮を食用とした。 食用以外にも、つるを這わせて緑のカーテンにして冷房器具の使用を抑えたり、植物の一生について教えるための小学校の教材としても使われる。