タイワンユリとは、帰化植物の一種である。タカサゴユリとも呼ばれる。 画像出典:自宅近くの植込みにて撮影 科名:ユリ科ユリ属 学名:Lilium formosanum 原産地:台湾 生態:多年草 台湾が原産の多年草。タカサゴユリという名称は、古い時代に台湾を「高砂」と呼んだことに由来する。低地から高地まで分布し、草丈は30~200cmほどになる。わが国へは園芸植物として大正時代末期(1924年)に導入されたが、繁殖力が強いため、帰化植物となっている。とくに有名な帰化地は、相模江の島、肥前佐世保、大隅内之浦であるが、路傍に最もふつうに見ることができる。またテッポウユリ(こちらも古くはエキゾチックな見た目からか「タカサゴユリ」と呼ばれた)との種間交雑種であるシンテッポウユリは、戦後になって園芸植物として導入されたのだが、こちらもまた繁殖力が強いので、各地で野生化している。本種とシンテッポウユリは容易に交雑するため、両種の中間的な形質をもった個体も多く、両者の完璧な同定はほぼ不可能である。8月から9月ごろ、花被片の外側に赤紫色の筋のある白いラッパ状の花をやや下向きに咲かせる。10月ごろに、垂れさがるように蒴果を実らせる。 数年はその土地に生息し、花を咲かせ、そののちは突然跡形もなく消滅することがあるが、その理由はいまだはっきりしていない。