サネカズラは、常緑蔓性低木の一種である。
画像出典:花と果実のいずれも自宅近くにて筆者撮影 科名:マツブサ科サネカズラ属 学名:Kadsura japonica 原産地:日本、中国、台湾 生態:常緑蔓性低木 本州から四国、九州や中国南部、台湾の山野の林に自生する蔓性常緑低木である。樹皮はゴツゴツした灰褐色になり、太さは2㎝である。樹皮や若い茎はやや粘性がある。葉は卵型で互生し、縁が波打ったようになる。雌雄異株で、花期は夏。7月から8月にかけて薄い黄色の花を下に垂れ下がるように咲かせる。秋から冬にかけて花托が膨らみ、キイチゴに似た集合果を垂れさがるように実らせ、果実は緑色から赤色に熟す。果実が取りについばまれると、後には花托が残るのみとなる。 果実はおいしそうに見えるが、味がしないので食用にはせず、酒に漬けて果実酒にするほか、茎や葉から得られる粘液は美男葛(びなんかずら)、赤く熟した果実を乾燥したものは南五味子(なんごみし)*1と称して漢方薬にする。果実には咳止めや滋養強壮に聞くとされ、同じ科で果実の色は赤色だが、形状が長いコショウの房に似た形状になるチョウセンゴミシの代用に用いられた。