クダモノトケイソウとは、熱帯果樹の一種である。現在は「パッションフルーツ」の名称の方がよく知られている。 画像出典:(上)東京都薬用植物園にて筆者撮影/(下)自宅近くの園芸店にて撮影 科名:トケイソウ科トケイソウ属 学名:Passiflora edulis 原産地:ブラジル 生態:常緑小低木 ブラジルが原産のつる性常緑小低木で、わが国には明治時代の中ごろに渡来し、現在は沖縄県や鹿児島県などで栽培されている。 葉は腎型で、茎に互生する。白色または薄紫色の花を咲かせ、花弁と萼片が5個ずつ交互に並ぶ。またひげ状の副花冠が長く垂れ下がる。花の後に楕円形の艶がある果実を実らせ、緑色から赤紫色ないしは黄色に熟す。表面に若干しわが寄ったころが食べごろであるとされる。 果肉には甘酸っぱい風味と芳香があり、生食やジュース、ゼリーの材料にされる。わが国では露地栽培できる熱帯果樹の一種であり、栽培が簡単なので、家庭果樹としても人気である。
画像出典:https://commons.wikimedia.org/wiki/File:Granadilla_3.jpg 著作者:Muago(Public domain) 樹形はクダモノトケイソウに似ており、葉は腎型で、茎に互生する。若干緑を帯びた白または薄紫色の花を咲かせ、花弁と萼片が5個ずつ交互に並ぶ。花冠には青紫色地に白い模様が入る。 果実は球形でオレンジ色に熟し、表面には光沢と細かな白い斑点がある。果肉はクダモノトケイソウとは異なり、酸味がほとんどなく、甘みが強いので英語圏ではSugar fruitの名称で知られる。欧米圏では非常に人気の高い果樹で、南米や南アフリカで欧米諸国への輸出をした商業栽培がおこなわれている。