キャッサバとは、有用植物の一種である。 画像出典;東京都薬用植物園にて筆者撮影 科名:トウダイグサ科マニホット属 学名:Manihot esculenta 原産地:メキシコ 生態:常緑小低木 メキシコや南米が原産の常緑小低木で、今では世界中の熱帯・亜熱帯地方で栽培されている。樹高は2m~3mで、茎の基部から出たサツマイモのような紡錘形の褐色の塊根を食用にする。青酸を含むためそのままでは食用にできず、加熱するか何度も水にさらして青酸を抜いてから食用にする。タピオカの原料として知られる。タピオカは本種を毒抜きして製粉し、水を加えて糊化させてからこねて球状にして製造する。本来は白色だが、イカ墨で着色しているため漆黒になる。 我が国には幕末から明治にかけてコメに代わる救荒食として注目され、蘭学者の高野長英が「答必膃加」の漢字を当てて日本に紹介している。大正から戦前には需要が大幅に増えたという。 原産地や熱帯の諸地域では、塊根を蒸かしてサツマイモのように食する。また、育てられる作物の品種が限られるアフリカの乾燥帯地域では、葉を毒抜きしてから粉末にし、野菜として食している。また、根茎に青酸の含有量が少ない改良品種が鹿児島県や沖縄県で栽培されており、上野の東南アジア産の食料品を扱う店で売られていることがある。 我が国ではタピオカなどの食用以外にも、葉に独特の模様のある品種を観賞用にする。