オニグルミとは、野生の果樹の一種である。 画像出典:いずれも東京都薬用植物園にて筆者撮影 科名:クルミ科クルミ属 学名:Juglans mandshurica var. sachalinensis 原産地:日本、ロシア 生態:落葉高木 我が国の各地や樺太、ロシアに分布する落葉高木で、縄文時代の遺跡から多く出土している頃から、わが国にはそのころから利用されていたのではないかと推測される。 湿り気の多い土地に生え、樹高は7m~10mに達する。葉は奇数羽状複葉で、小葉は5~9対つく。初夏に葉が開くと同時に赤い花を咲かせ、雌花序は同じ株の枝先に直立し、雄花序は同じ株の葉腋から下垂するようにして咲かせる。 9月から10月に殻に堅果をつけ、この堅果の内部は食用になる。堅果をペンチなどで割ってから食用になる子葉の部分を炒って食す。殻が分厚く、食用にすることができる部分が小さいので、現在はテウチグルミの方が多く利用される。また、木材は加工がしやすいので机や椅子、洋風家具、建築、フローリング、彫刻、小銃の銃床を作るのに用いられる。
画像出典:小石川植物園にて筆者撮影。 オニグルミの変種とされる樹種で、現在野生品は存在しないとされる。樹高は7m~10mで、葉などの全体的な特徴はオニグルミに似ている。堅果が扁平で表面にしわがなく、縦溝が1本ある以外は平滑であるのが特徴で、殻は薄くて割りやすいのが特徴である。種子を食用にすることや、材の利用法もまたオニグルミと同じ。