オオセンナリとは、観賞用に栽培される花卉の一種である。 画像出典:筆者撮影(東京都薬用植物園にて)
南米のペルーが原産で、わが国には安政年間に渡来しており、飯沼慾斎著の植物図鑑「草木図説」内の記述がわが国では最古である。 茎は50㎝~1mで、大きく分岐する。葉は柄があって互生し、卵型で、粗い鋸歯がある。 夏から秋にかけて葉腋に青紫色の花を咲かせ、ホオズキ状のガクに包まれた液果を実らせる。ガクは5つに分かれ、背に5つのとがった部分があり、縁は羽状になる。青紫色の花冠は釣り鐘型で5つに分かれ、下部は白色である。 夕方に花を咲かせ、花は2日でしぼむ。果実はしてもホオズキのように赤く色づかず、黄色みの褐色に変色する。 古くはハエの嫌がるにおい成分を持っていることを利用して、ごみ捨て場の近くに植えられていたのだが、こぼれ種で殖えやすいので、戦後になって雑草化した例がいくつかある。このため、帰化植物の一種とする向きもある。 写真は園芸品種の「黒ほおずき」で、本来は黄色味の茶色になるガク片が、本種は黒紫色に色づく。また、「黒ほおずき」というとホオズキ(ナス科ホオズキ属)の中で、ガクが黒紫色になる園芸品種を指して言うこともある。