アオノクマタケラン(青野熊竹蘭、学名:Alpinia intermedia Gagnep.)は、ショウガ科ハナミョウガ属に分類される常緑の多年草の1種。 画像出典:東京都薬用植物園にて撮影 和名は、タケクマランに似ていて全体に赤みがないことに由来する。シノニムは、Alpinia oblongifolia Hayata。英名は、hardy wild ginger。中国名は、光葉山姜。本来カキツバタに比定される「杜若」はカキツバタではなく、アオノクマタケランであると、牧野富太郎は著書「槙野日本植物図鑑」で述べている。
偽茎は高さ50-150 cm。葉は狭長楕円形で先が尖り、長さ30-50 cm、幅6-12 cm、毛はなく、表面に光沢があり、芳香があり、互生する。花序は総状または円錐状に直立し、長さ10-20 cm、枝軸は長さ10-15 mmで3-4個花がつく。苞は膜質楕円形で、長さ5-7 mm。花は長さ5-7 mm前後、白色でわずかに紅色を帯びる。雄蕊はツルの首のように湾曲し、葯室の間から柱頭が突き出る。萼は筒状で長さ3.5-5 mmで低い歯がある。内花被は上部が3裂、唇弁は卵形で長さ15 mm前後、先が浅く3裂し、基部の両側に針状の付属片があり、白色で紅色の斑が入る。花期は6-8月、西表島では4-6月。果実は蒴果で、球形、直径15 mm前後で、毛はなく、赤く熟す。
中国、台湾と日本に分布する。 日本では、本州(伊豆七島、紀伊半島)、四国、九州、南西諸島の暖地に分布する。 海に近い、湿った林下に生育する。
種子にはセスキテルペン(humulene, cineole)の成分があり、ハナミョウガの種子の代用として、芳香性胃腸薬、香辛料として用いられる。根茎にセスキテルペン(hanalpinol, aokumanol)の成分があり、胃腸薬として用いられる。 和歌山県の紀伊大島では、半野生状に栽培されて花卉として出荷されている。
日本では環境省によるレッドリストの指定を受けていない[10]。また以下の都道府県でレッドリストの指定を受けている。&br: