地獄の子守唄(漫画) のバックアップ(No.3)

地獄の子守唄とは、怪奇漫画家・日野日出志氏による作品である。

あらすじ Edit

家の前を流れる川は工業排水で七色に姿を変え、周辺は絶え間ない悪臭と工場からの騒音にあふれるという劣悪な環境の中、工業地帯の古びた住宅に一人暮らしで、毎日怪奇漫画を書き続けている面長の男性がいる。
彼は自らを「日野日出志」と名乗り、子供時代からのグロテスクな絵や動物のホルマリン漬けのコレクションを読者に紹介しながら、幼少時の思い出と、その当時に気付いた自分の特殊能力を身につけた敬意を話し始める。

登場人物 Edit

  • 日野日出志
    本作の主人公にして語り手。幼少期は病弱で性格も暗く、学校では友達もできず、劣悪な家庭環境で少年期を過ごす。ある日、いじめっ子三人組に恐喝されたことを恨みに思い、その三人が惨たらしく殺害される絵を描いたところ本当にその絵のとおりの末路を迎えたため、以後自分と敵対するものに殺意を向け、何らかの方法で落命させることができるようになる。
  • 母親
    経緯は不明なものの、狂人になってしまっており、いつも人形を抱いて地獄の子守唄を歌っている。日出志を「鬼の子」と呼んで凄惨なリンチを加える。
  • 父親
    工場勤めをしていて、ガッチリした体格である。日出志を説教する際には容赦なく日出志を殴り付け、夕食も食べさせないという罰を与えることもあったが、それに便乗した妻が日出志に暴行を加えた際には息子に「おまえが悪い」といいつつも妻を制止するなど、人としての常識はちゃんとある。

  • 不良少年で、たまに家から金をくすねるとき以外は帰って来ない。
  • 女中
    日出志とその母親の面倒を見るために父親が雇った女中だが、無愛想な性格で日出志を疎ましく思っている。
  • いじめっ子三人組
    日出志を何かにつけて苛める悪ガキ。フキレた日出志少年に絵の中で殺害された方法と同じように凄惨な最期を遂げる。
  • マンガの編集者
    日出志の原稿をさんざんにこき下ろす。

ストーリーの展開 Edit

以下、ネタバレ注意



主人公・日野日出志は病弱で性格も暗く、学校では友達もできず、いつも同級生三人組にいじめられていた。ある日、その三人がむごたらしい最期を遂げるシーンを絵に描いたところ、3人ともその絵のとおりの末路を迎えた。そうして、自分が殺意を向けた人物が必ずむごたらしく死ぬという能力を開花させた彼は父母や兄、同業者のライバルや自身の原稿をこき下ろした編集長にその殺意を向け、自分のもとに転がり込んだ遺産を元手に漫画を描き続けてきたという。
しかし、この秘密は本来語ってはならないもので、日野日出志は一通り語り終えた後、こちらに指を向け、こう言い放つ。

「今度は きみが死ぬ番だ! きみは このまんがを見た3日後に 必ず死ぬ!」

「死ね! 死ね! おちろ! おちろ! 地獄の底へおちろ! おちてしまえ!」

余談 Edit

この作品の後、日野氏はご母堂に「お前はなんてこと描くんだい!こんなものを描かせるために、お前を満州から連れ帰ったんじゃないよ!」と散々怒られたという(日野氏談)
実際の日野日出志氏は幼少期は活発な子供で、友達も多くおり、いつも放課後は弟も交えて草野球をしていたという。
なお、日野氏はホラー漫画界の重鎮で、描写がなかなかに容赦ないものが多いが、本当はホラー物が苦手で、お酒を飲んで怖さをごまかしながら作品を描いているのだとか。どうもギャグマンガ家を目指していたらしいが、赤塚不二夫氏の作品を読んで、「オレには無理だ」と断念したらしい。
一応、日野氏のギャグ系の作品として、「狂人時代」「大戦争時代」(主人公のズルチン坊やが町中のおばあさんの集団「ばばあ連合」と乱闘する作品)がある。作品ではないものの、「地獄小僧」には漫画内の電柱の広告に「漫画読むなら日野日出志」とさりげなくせんでんしたり、「鬼んぼ」シリーズでは主人公の呪文が漫画家の本音(「イワコリキメシ」→「締め切り怖い」)や漫画の宣伝(「シデヒノヒラナムヨガンマ」→「漫画読むなら日野日出志」)だったりと、随所に遊び心がみられる。

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