ミフクラギ(目膨ら木)とは、有毒植物の一種である。 画像出典:福岡市植物園にて筆者撮影 科名:キョウチクトウ科ミフクラギ属 学名:Cerbera manghas 原産地:アジアの熱帯から亜熱帯地域 生態:常緑亜高木 別名:オキナワキョウチクトウ 奄美大島以南,沖縄,台湾,熱帯アジアの海岸近くに分布している。葉は倒披針形で、縁に鋸歯はなく平滑で、枝先に多く集まる。枝は粗大で折れやすく,傷口から乳白色の樹液が出て、これが皮ふにつくと腫れる。「ミフクラギ」は沖縄の方言がもとになった名称で、汁が目に入ると目が腫れるので、「目(み)膨(ふく)ら木」という表現から名づけられた。耐寒性は弱い。耐潮性は非常に強く,海岸の前線にも生育する。ふつう樹高は5m~9m程度だが、古木では高さ20m近くにもなる。わが国では沖縄県以外の地域では植物園の温室で栽培される。 晩春から秋にキョウチクトウに似た花を集散花序に咲かせ、花の中心部はピンク色に染まる。花の後、ややつぶれた球形の核果をつける。この果実がぶら下がっている様子は小型のマンゴーを思い起こさせるが、この果実も有毒なので決して食用にしてはいけない。果実の外側は多肉質だが、内側は繊維質で、海流分散を行う。この繊維質の部分は形状が独特で面白いので、しばしば花材やインテリアにされることがある。