『初代』からの皆勤賞ファイター?の内の一人。ファイター番号は01、通り名はミスタービデオゲーム。
ナンバー01を背負うファイターだけあり、さまざまな状況に対応できるワザを持つオールラウンダー。飛び道具、メテオ、カベジャンプ、反射、押し出しなど、スマブラならではのテクニックや駆け引きに通ずる特殊能力とワザを徹底的に網羅している。 中でも、反射に加えて相手の向きを強制的に反転させる横必殺ワザ、相手を怯ませずに押し出す水流を放つ下必殺ワザは、一部ファイターの復帰を強力に妨害できる珍しいワザ。多人数戦やアイテム戦でも活躍が見込める。 バランス良く高い機動性も魅力のひとつ。特にジャンプ力と空中制御はジャンプマンの名に相応しく平均を大きく上回り、地上空中を問わず快適に戦場を動き回ることができる。
ただ、それらに増してスマブラのマリオを特徴づけているのは、おもな攻撃ワザが徒手空拳に偏っている近距離戦特化型のファイターであること。 こと近距離戦においては、「オールラウンダー」の枠をはるかに越えた力強さを発揮する。ワザの発生平均が全ファイター中でもトップクラスであり、後隙も小さめ。レスポンスの良い通常ワザの数々とジャンプマンらしい高い空中機動力を駆使したコンボ・連係の火力はかなりのもので、一度のチャンスをモノにする能力が高い。 発生の早い通常ワザやシールドキャンセルに適したワザを豊富に持つ事から、相手から攻め込まれた際の暴れ・切り返し択にも事欠かない。 一方、手足の短さもあって通常ワザのリーチが全体的に短めというのが弱点であり、距離を取ったまま戦う選択肢にはやや乏しく、リーチの長いファイターが増えてきた本作では攻めに転じる難易度が若干高い。
得意の接近戦に持ち込むことさえできれば回転の速い通常ワザによる一方的な攻めを仕掛けられるが、その接近戦に持ち込むまではこれといって押し付けの利く選択肢を持たない。 一発で状況を変えられるほど強いワザは持っていないため、適切に使い分ける必要があるのはオールラウンダーとしての宿命だ。 加えて近距離特化のファイターとしては走行速度がやや平凡であり、リーチの短さも相まって逃げるファイターを追いかけにくい場面がままある。
高めの空中機動力と多彩なワザを活かしてリーチの長い牽制ワザや飛び道具などを掻い潜り、果敢に接近して懐から攻め立てるというのが主な戦術となるが、 それをこなすためには、相手の「待ち」や「逃げ」の構えを崩すといった攻めのセンスを要する。 その過程でステップや走行・小ジャンプと通常ジャンプ・シールド・回避といった基本的な動作の使いこなし方、豊富なワザをフル活用して相手にこちらの選択肢を絞らせない駆け引きの妙がモノを言い、スマブラの基礎的な技術とプレイヤー自身の精神力が他のファイター以上に勝敗に直結する。
軽やかな動きとコンパクトなワザでスムーズに動かしやすくはあるが、対人戦で勝つ事を目指し始めるとプレイヤー自身にもオールマイティにテクニックを磨く事を要求してくる一面があるため、初心者向けのイメージとは裏腹に、初心者が考えなしにマリオを選択すると思いの外苦戦する可能性が高い。 とは言え、スマブラを一から始める人に「スマブラってどういうゲーム?」というのを教えるには相応しいファイターであるのは間違いない。
総括して、いわゆる「スマブラ力」をダイレクトに試される登竜門・試験官的なファイター。マリオは「使いこなす」という意味では難しいが、「スマブラのファイターの基本挙動」を学ぶ意味ではうってつけであり、マリオを使いこなせれば他のファイターの操作にもある程度応用が可能である。 世界的な人気者・豪華なメンツが勢揃いするスマブラにおいても中心的な存在感を放ち、誰もが一度は触れる機会があるであろうアクションゲームの雄には相応しい性能と言えるだろう。
……ちなみに体重(ふっとばされやすさ)だけはいかなるシリーズでも概ね中間基準的な数値*1に設定されており、スマブラのデータベースは「終点?中央のマリオを何%で撃墜できるか」をワザの撃墜力の基準にしているサイトがほぼ全てとなっている。 よって、解説動画等ではサンドバッグくん?ばりに殴られ、撃墜されるマリオを見る事も少なくない。Mamma Mia! 撃墜%の目安であるが故に他のファイターと比べるとやりこみプレイヤーに正確な撃墜%・コンボ確定帯が知れ渡っていることはマリオ特有の欠点であろう。*2 ……なお、立ちモーションは喰らい判定が結構動いているので、トレモ?でファイターのワザのリーチや判定を調べるのには意外と向いていなかったりする。これに関してはサンドバッグくんや立ちモーションで全く動かないスティーブ/アレックス?がおすすめ。
声優はCharles Martinet(チャールズ・マーティネー)。 『スマブラX』で収録された声セットがそのまま使い回されているが、 本作でCharles氏がマリオを担当したゲームタイトルがちょうど100作目となり、「単一キャラクターとして最多のゲームに出演した人物」のギネス世界記録として認定された。
ゲーム界のスターが勢揃いするスマブラでも中心的存在なだけのことはあり、コンボを軸に据えた1on1を主体としながらも、クセのない立ち回り能力、乱戦での暴れ能力や振りやすいスマッシュ攻撃、そして反射ワザなどの存在により乱闘もそれなりにこなせる両刀タイプ。 そして格闘主体ゆえのリーチの短さの他、1on1ではコンボの難度やあまり恵まれない復帰ルート、乱闘などでは広大なステージ?を駆け回れるほどの速度はないことや攻撃範囲の狭さ、と言ったどの場面でも悩まされる明確な難点も存在し、それ故に高い勝率を挙げるには、ルール問わず相応の慣れと習練を要する。 あらゆる環境の下で戦えるポテンシャルを持ち、そしてあらゆる環境で状況に合わせたスマブラ力を求められる、まさに「ビデオゲーマーのためのミスタービデオゲーム」に相応しい王道ファイター。