マイタケ(舞茸)とは、食用きのこの一種である。 画像出典:https://fungi.sakura.ne.jp/index/fr_ajiwai_kinoko.htm 「キノコのフォトアルバム」の「マイタケ」のページから。 科名:トンビマイタケ科トンビマイタケ属 学名:Grifolas frondosa 原産地:北半球・南半球一部 生態:担子菌類 我が国の各地を含めた北半球、およびオーストラリアに分布するきのこである。秋にミズナラやコナラなどの広葉樹の枯れ木の根元に生え、材の白色腐れを引き起こす。 きのこは無数に分岐した柄の先端に扁平なへら型や扇形の直径3㎝から10㎝程の無数のカサをつけ、全体的な大きさは直径30㎝ほどになる。カサの表面は黒みを帯びた褐色で、放射状のしわと細かい毛のような菌糸におおわれ、縁が若干波打っている。内部は白い。カサの裏は管孔になり、胞子紋は白い。 加熱してもしっかりとした歯ごたえを持っていて、炒め物・鍋料理(特に秋田県の郷土料理であるきりたんぽ鍋には欠かせない具材である)・汁物・天ぷら・煮物・佃煮・炊き込みご飯・パスタ・ピラフに向く。 かつては商品価値が高いものの、南関東の照葉樹林地帯以南の地域ではそれほど一般的な食用きのこではなく、お世辞にも知名度が高いとは言えなかったため、山に精通したプロのきのこ採りでなければ見つけるのは難しいといわれていた。1970年代に人工栽培の実用化に成功してからはわが国全土の市場で通年出回るきのことなっている。 和名の｢マイタケ」の由来は諸説あり、「思わず踊り出してしまうほど味がいいということから」という説と、「野生のものを山で発見すると舞い踊りたくなるほど嬉しい気持ちになるきのこであることから」という説が有名である。平安時代の説話集である『今昔物語集』には、「複数の尼さんたちがきのこを食べて狂ったように踊っている様子から『舞茸』という名前がこのきのこにつけられた」といわれるが、現在はこのきのこは本種ではなく、ヒメノガステル科のオオワライタケやオキナタケ科のワライタケではないかとされる。両者ともに毒きのこであり、前者は一見すると食用キノコを思わせる黄色味の強い褐色という色合いだが、強い苦みを持ち、誤食すると嘔吐や幻覚を引き起こす。後者は貧弱な風体で、全体的に白っぽい。こちらは麻薬及び向精神薬取締法において麻薬原料植物として指定されているので、興味本位で採取したり所持したりしてはならない。
