『初代』からの皆勤賞ファイター?の内の一人。ファイター番号は07、通り名は雇われ遊撃隊長。 本作『スマブラSP』では『X』や『for』の雰囲気を引き継ぎつつ、服装が『ゼロ』をベースに一新されている。 原作では戦闘の際は基本的にアーウィンを始めとした戦闘機に搭乗しており白兵として戦う描写は少ないキャラクターだったが、スマブラに参戦するにあたって「スリッピーが開発したSF兵器と狐らしい俊敏な動きで戦うファイター」という独自の設定を与えられ、現在に至るまで踏襲され続けている。
歩行・走行・ジャンプ・落下の全てが機敏という典型的なスピードタイプにして、飛び道具・突進ワザ・反射ワザを兼ね備えた万能型ファイター。そしてスマブラにおいては卓越したスピード・攻撃力と、大きな不安を抱えた防御面を併せ持つ攻撃特化型ファイターの代名詞でもある。 スマブラ(特にタイマンルール下)において重要視されやすいスピードに恵まれる事から「フォックスが弱いスマブラは存在しない」「約束された強キャラ」ともっぱらの評判であり、いわゆるガチ勢や競技シーンにおいてはシリーズを通して活躍しており、強い存在感を放ち続けている。
持ち前の機動力に加えてワザの発生・後隙が全体的に速いため、コンボ・連係も得意。 高い機動力にも合致した性能を持つダッシュ攻撃・空中ニュートラル攻撃といった優秀なワザを備え、これらのワザを始動としつつ相手の蓄積%に応じてダメージ稼ぎ・撃墜のどちらも狙っていけるのは大きな強み。 横への撃墜力はそこそこだが上方向への撃墜力は全ファイター中でも上位に挙がり、特に上スマッシュは発生が早い・ガーキャンからも狙いやすい・戦場の台上に乗っている相手にもクリーンヒットすると非常に高性能。
更に相手が一切怯まないというアクの強さこそあるが素早い飛び道具である通常必殺ワザ「ブラスター」で離れた相手の蓄積ダメージを貯めやすく、かつその当てやすさで他のワザのワンパターン補正を解除しやすい。 下必殺ワザ「リフレクター」でほとんどの飛び道具を反射できるため相手の飛び道具に対する応戦力も高く、相手には安易な待ち・逃げを許さない。
卓越した近距離の攻め性能、安易なジャンプ様子見を許さない対空・着地狩り性能、置き技に対する差し返し性能、ブラスターとリフレクターによる遠距離耐性により、相手に動かされるといった場面が少ない。 1on1でのニュートラルゲームにおいてはトップクラスの支配力を誇るファイター。
タイマンだけでなく、その速さを活かした逃げや位置取りの性能で乱闘やアイテム争奪にも強く、強力な射撃・投擲タイプのアイテムに対して下必殺ワザという明快な解答があり、ふっとんだ相手をブラスターで横取りもしやすく、高い機動力のおかげで目まぐるしく環境が変わるステージ?や回避が困難なやくものにも対処しやすい。 切りふだもコンボからつなげやすい上に撃墜力が高く、フォックス本人の撃墜力もトップクラスのスピードを持っているにしては高めで撃墜困難に陥って横取りされるといった展開は起こりづらい。 まさにルールや状況を選ばず、オールマイティーな活躍が期待できる万能ファイターである。
ただし、これらの豊富な強みの代償として、防御・耐久に関しては様々な面から非常に脆く設計されている。 まず全ファイター中でワースト5位に入るほどの体重の軽さが挙げられ、なんと今作ではカービィ?やピカチュウ?よりも軽い。 どうなってんだこいつの身体は。 あまりダメージが蓄積していない段階でもスマッシュ攻撃などを受けてしまうとあっけなく撃墜してしまうことも。
更に落下速度が速すぎることの影響で、ガケ外における空中戦の攻防も非常に苦手としている。遊撃隊員なのに…。 横必殺ワザ「フォックスイリュージョン」と上必殺ワザ「ファイアフォックス」を使い分けることによる移動距離の長さとルートの多彩さは大きな魅力だが、その両方が発生前に分かりやすい予備動作を挟むため対フォックスに慣れた相手には予備動作を見てから対応されてしまう事が多い。特に下から復帰することになった場合は発生が遅いファイアフォックスを使わざるを得ないため、一層復帰阻止の的になりやすい。 これに落下速度が速すぎて空中ワザを一度振っただけでも大きく落下してしまう特性が絡み合った結果、自らガケ外に飛び出て復帰阻止を狙うのも苦手としている。 また、その落下速度の速さから横方向にふっとばされた際にはあまり高く浮かない*1という特徴がある。一部のコンボを受けにくいという強みにもなる一方で、低いベクトルでふっとばされやすいことがその後の連係や復帰の展開に響くことの方が多い。
また身体が小さいためリーチのあるワザもなく、その申し分ない攻撃力を発揮するにはスピードを活かして正確に相手のスキを突き懐に踏み込む必要がある。 打撃による連係の性能は極めて高い反面、投げワザを基点としたコンボがなく投げ自体のふっとばし力も低い。 また、確定コンボ自体は少なく、長いコンボに見える連撃はあくまで「極めてフォックス有利の展開を押し付け続けている」だけであり、暴れ性能の高いファイターに対して安定して勝利を掴むのはやや難しい。 撃墜に適したワザは特段当てにくいという訳ではないが、後隙が大きかったり当て所を選んだりと何かしら気軽に振り回すには向かない弱みを抱えている事が多い。これらの点から、迂闊なスキを見せずシールドで正確に守りを固めてくる相手を崩すのは序盤から終盤まで苦労する事になる。 実はその大きな尻尾にも若干の当たり判定があり、身体が小さい割には他のちびキャラに比べてやや被弾しやすい地味な弱点がある。
総括してストイックに技術を磨き上げたプレイヤーが使用して初めてポテンシャルを発揮できるといった、いい意味で「真面目系」と評せるファイター。 余りにも動作が素早いため慣れないうちは操作ミス・判断ミスをしたところを相手に突かれてしまいやすく、かつ防御面の脆さから一つのミスが命取りに繋がる。動きや操作のクセが特別強い訳ではないものの、何かとシビアな面が目立つため「強いらしいから」というウワサを鵜呑みにして初心者がフォックスを選ぶのは考えモノである。 逆に迅速かつ正確な判断力を持った上級プレイヤーであれば圧倒的な機動力と火力を極限まで発揮し、遊撃隊長としての貫禄を存分に見せつけられるだろう。
声優は『スターフォックス64 3D』から担当している、大原 崇(おおはら たかし)。 『スマブラ』シリーズの全作品でボイスが一新されている唯一のファイターで、声優の変更は2回目*2。 海外版の声優はMike West。
本質的にはスピード型の1on1寄りファイターなのだが、不足の無い撃墜力、流れ弾や射撃アイテムへの反射、タイム制でのNBによる横取り、といった多人数戦で有効な手札も十分に備えているため、乱闘も十分にこなせるタイプ。 とはいえやはり体重の軽さから来る事故は1on1以上に怖くなるため、その機動力を生かした位置取りや強力なアイテムの回収・回避は徹底したい。