ヒヤシンス のバックアップ(No.3)

ヒヤシンスとは、園芸植物の一種である。
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画像出典:東京都薬用植物園にて筆者撮影


科名:ユリ科ヒヤシンス属
学名:Hyacinthus orientalis L.
原産地:小アジア
生態:多年草


 小アジアが原産の多年草で、花壇や鉢に植えるほか、水栽培や切り花用にする園芸植物である。わが国には幕末期(文久年間)に渡来し、現在に至るまで園芸植物として人気を集めている。旧幕臣の農学者で、植物学者の伊藤圭介に指示していた田中芳男は、田中芳男君七六展覧会記念誌」にて、
「文久三年二月になりまして、フランスから一年生の花物の種子や球根植物その他いろいろのものが伝わりました。その花物の中には、ムギカラハナ、キンギョソウ、ヤグルマソウ、ヒエンソウなどが来ました。これがフランスから来て日本に出来た初めであります。球根の方はチューリップ、ヒヤシンス、その他水仙の珍奇なものなぞあって、それは日本人には珍しかった。」(原文ママ)
と語っている。さらに、幕末期に渡来した証拠を裏付けるものとして、尾張藩家老・渡辺規綱が作成し、圭介の五女・小春(伊藤徳太郎の母)が写本を作成した西洋産の園芸植物の図譜「新渡花葉図譜」には「フシヤシントウ」の名で八重咲の紫花種と一重咲の橙花種の図が描かれていることが確認されている。
地下の輪茎は長さ3cmほどになり、葉は束生して斜め上向きになり、長さは15cmから30㎝程になり、多肉質である。3月から4月に葉心から中空の花茎を出し、総状花序に太く直立し、漏斗状となって直径は2㎝から3cmである。花被は癒着し、先端が6つにさけて反り返る。花の色はピンク色や白色、青紫色や黄色など、数多くの園芸品種がある。
 ヒヤシンスの名は、ギリシャ神話の美青年ヒュアキントスに由来する。ヒュアキントスは同性愛者であった*1。ある日、彼は恋人の医学の神・アポロンとともに円盤投げをして楽しんでいたが、西風の神・ゼピュロス(この神もまたヒュアキントスを好いていた)がその様子に嫉妬し、意地悪な風を起こした。このせいでアポロンが投げた円盤の軌道が変わってしまい、円盤が当たったせいでヒュアキントスの額が切れてしまい、大量出血してしまった。アポロンは自身の医術の力で懸命に己の恋人を治療したが、その甲斐なくヒュアキントスは死んでしまった。ヒヤシンスの花は、このヒュアキントスの血だまりから咲いたのが始まりであるという。

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*1 ギリシャ神話では、同性愛は美徳であった

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