パイナップルは、果物の一種である。わが国ではおもに沖縄県で露地栽培される。 画像出典:筆者撮影(小石川植物園)
南米が原産の多年草で、わが国には江戸後期に紹介されたが、本格的な栽培が始まったのは大正以降である。当初は果実がよく似た見た目をしているタコノキ科のアダンとしばしば混同され、当時の本草書にはしばしばアダンにパイナップルの中国名である「鳳梨」を当てていることがある。 茎の高さは30㎝~50㎝になり、葉は互生し、上から見るとロゼット状になっている。 夏に花を咲かせ、花は集合花で、花托が成長して果実になる。 果実は甘みと程よい酸味があり、生食されるほか、ジュースや缶詰に加工される。また、肉を柔らかくするブロメラインという酵素を持っているため、酢豚に入れる他、、パイナップルの果汁をソースに混ぜ、肉を漬け込んで焼くことがある。 近縁種に、全体的に小ぶりなA.nanusという種があり、これは観賞用として花屋に売られることがあるが、熟しても果実のえぐみが強いため食用に適さない。一方で、特徴はA.nanusに似ているが葉に斑が入るフイリパイナップル(A. bracteatus var. striatus)は観賞用だけでなく、果実を食用にすることはできる。