バニラとは、香料植物の一種である。 画像出典:筑波実験植物園にて筆者撮影 科名:ラン科バニラ属 学名:Vanila franrans 原産地:中央アメリカ・西インド諸島 生態:蔓性多年草 中央アメリカと西インド諸島が原産の常緑のつる性植物で、現在は熱帯地方で広く栽培される。わが国への渡来時期は不明なものの、明治~大正には渡来していたものと推測され、現在は各地の植物園の温室で見られる。ラン科の植物には珍しく、多肉質の茎は長く這い、葉の反対側から白い着生根を1本出し、しばしば他の樹木によじ登るようにして着生する。蔓の長さは10m~15mほどになる。葉腋に花序をつけ、6個から30個の直径8㎝の緑色の花を一斉に咲かせ、花の寿命は短く1日でしおれる。果実は細長く、インゲンマメの莢に似た見た目をしており、「バニラ・ビーンズ」と呼ばれるが、収穫してすぐのものには香りがないので、自然発酵して香りを出してから成分を抽出し、溶剤に溶かしこんだバニラ・エッセンスやバニラ・オイルが、アイスクリームをはじめケーキ、スイーツ全般の様々なものに利用されている。また、観葉植物として流通することがあるが、冬期に高い温度を必要とすることと、株がある程度成長しなければ開花しないので、家庭での栽培で開花・結実させるのは難しい。