ハトムギとは、穀類の一種である。 画像出典:東京都薬用植物園にて筆者撮影 科名:イネ科ジュズダマ属 学名:Coix lacryma-jobi var. ma-yuen 原産地:東南アジア 生態:一年草 東南アジアが原産の一年草で、わが国には江戸時代前期に渡来している。草丈は1mから1.5mほどで、葉は狭披針形で茎に互生する。8月から10月にかけて花を咲かせ、花を咲かせた後に黒っぽい褐色の果実を垂れ下げるようにつける。 本種は野草のジュズダマが品種改良されたもので、全体的な特徴はジュズダマとよく似ているが、以下の違いがある。
種実は食用にされるほかハトムギ茶や焼酎の原料になる。脱穀して炊くと米に似た風味があるため、イネの栽培が難しい地域では重要な穀物として栽培されてきた。 食材として利用されるほか、種皮を除いた種子が薏苡仁(ヨクイニン)という名称で利用され、消炎・利尿・鎮痛・滋養強壮作用がある。種皮を除いていない種子は「ハトムギ」の名称でいぼとり、肌荒れの改善に煎じて用いられる。 かつては圧倒的に収穫量の多いトウモロコシにとってかわられ、一時的に穀物としての利用が減少したが、現在は薬用植物としての効果を期待した栽培が増えている。