チコリとは、野菜の一種である。 画像出典:福岡市植物園にて筆者撮影 科名:キク科キクニガナ属 学名:Cichorium endiva 原産地:地中海沿岸 生態:1年草 地中海沿岸が原産であるとされ、現在は世界の諸地域で野菜として栽培される一年草だが、条件が良ければ二年草にもなりうる。根は紡錘状で太く、茎は分岐して高さは30㎝~60㎝に達し、茎と葉は互生する。 葉の基部は茎を抱くようにして付く。春から夏に直径3㎝ほどの青色の頭花を咲かせ、根生葉が育ってくると上部を束ねて内部の葉を軟白し、この軟白した白菜の芯のような黄色い葉をサラダ用野菜として食用にする。 根は粉にしてからコーヒーの代わりとする。戦争や災害でコーヒー豆が手に入りにくなった際には重宝されたという。和名をキクニガナといい、花が大きくキクに似ていることと、ほろ苦さがあることから。
画像出典:(上)https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%A9%E3%83%87%E3%82%A3%E3%83%83%E3%82%AD%E3%82%AA 著作者:Kasteelhoeve Puth(Public domain)。(中1)「プレコーチェ」。東京都国分寺市にて筆者撮影。(中2)「タルディーボ」の画像。https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%81%E3%82%B3%E3%83%AA%E3%83%BC 著作者:Zetagroup(CC BY-SA 3.0) (下)「カステルフランコ」の画像。https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%81%E3%82%B3%E3%83%AA%E3%83%BC 著作者:Goldlocki(CC BY-SA 3.0) 植物学上はチコリと同一な品種の野菜である。わが国には1980年代に導入されていて、いまだ新顔野菜としての性格が強いといえる。紫キャベツに似た形状のもの(「キオッジャ」。このタイプがわが国でしばしば「トレビス」の和名で呼ばれるものである)と、写真のように白菜に似た形状(「プレコーチェ」。「ラディッキオ」の名称で呼ばれるタイプは多くがこれ)のもの、細長い葉を持ち、葉が結球しないもの(「タルディーヴォ」)、薄黄色地に赤い斑点が入るバラの花の形状をおもわせるもの(「カステルフランコ」)がある。 一般的には色あいを生かしてサラダにするが、パスタの具材やグリルして肉料理・魚料理の付け合わせにする。根もコーヒーの代用として利用できる。
画像出典:https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%81%E3%82%B3%E3%83%AA%E3%83%BC 著作者:Michel Chauvet(CC BY-SA 3.0) チコリーの中でもやや苦みの強い品種で、「カタローニャチコリー」とも呼ばれる。葉は濃い緑色で軸が白く、20~30cmほどの細長い葉には細かい切れ込みがあって水菜に似た形状のものと、葉に切れ込みがなく丸い形状のものがある。株元の内側にはアスパラガスほどの太さで、下部が丸くなる花茎が何本も伸びている。この花茎部分と葉が食用になる。サラダや炒め物に向く。