サラノキ(沙羅の木)とは、樹木の一種である。 画像出典:東京都薬用植物園にて筆者撮影 科名:フタバガキ科サラノキ属 学名:Shorea robusta 原産地:インド 生態:落葉高木 インドの中・北部からヒマラヤ地方にかけて分布する。わが国への正式な渡来時期は不明ながらも、現在は各地の植物園の温室で栽培される。 雨季と乾季の気候が明確な地域に生息する。樹高は30mから35mに達する。葉は楕円形で、鮮やかな緑色である。 花期は広く、3月から7月に黄色をうっすらと帯びた白い花を咲かせる。材はボートや家の柱に使われる。 この花は仏教と深い関連があり、かつてお釈迦様がクシナガラにて涅槃に入った(=亡くなった)時、臥床の四辺にあった沙羅双樹が、その時咲かせていた花を一斉に枯らしたという伝説がある。その伝説は、平家物語の序曲の一節「沙羅双樹の花の色 盛者必衰の理をあらはす」に反映されている。 この植物はわが国の気温では露地では育たないので、温室で栽培される。現在「沙羅双樹」の名称で露地栽培されている木はナツツバキというツバキ科の別品種である。